「パパが来れば娘を休ませる!?」
長野県に住む宗像さん(42歳)は、昨年11月29日に、元妻側の弁護士、石川英夫氏と石川さやか氏からのファックスを見て驚いた。直前の授業参観で、宗像さんの娘さん(12歳)が欠席していたため、そのことについて石川弁護士らに問い合わせたところ、「宗像氏が授業参観に来ないと確信できない限り、今後も授業参観を休む可能性があ」ると文面にあったからだ。「脅しですよね」と宗像さんは憤る。
2007年に元妻と別れた宗像さんは、2010年から裁判所の決定によって娘さんと二か月に一度、定期的に会ってきた。娘さんが小学校2年生になってからは、授業参観などにも出席してきたという。欠席はこれまで一度もなかったので心配し、弁護士を通じて何かあったのか問い合わせたファックスには、「参観する授業や昼食の時間を厭うてのことです」と理由を書いていた。
「実際は先生や友だちのことを会えば子どもと話すこともありました。だけど元妻側が敵意を強めれば子どもも影響されます。今は元妻が望まない養育時間の回復のための裁判中ですので、いっしょにいても子どもが疎遠に振る舞う場面が増え、見ていてかわいそうに思います。子どもの意思と言っても、それを聞くのは母親とその代理人です」
およそ石川氏らは中立的な立場ではない。「以前、娘と会っていたときに、娘が『イチゴ狩りに行きたい』というので、実現できないかと問い合わせたところ、石川弁護士が子どもに直接問い合わせて『子どもが望まないから』と言われたことがあ」ったという。「知らない人にいきなり問い合わされてこわかったと思いますよ」と宗像さん。ファックスでは裁判所の決定を読むように宗像さんに促している。
「裁判官は、学校に行くにしても、父親だとばれないようにしろと言っていました。それが『子どもの福祉』だというんです。自分の父親が周囲に言えない存在だと教えるのが『子どもの福祉』なんでしょうか。部落出身者だと名乗っている父親は学校では子どもと触れ合っちゃいけない、というのと同じですよ」(宗像さん)
親は子どもを学校に行かせる責任もあるし、ずっと行かせなければ虐待にもなる。宗像さんは石川氏らを千葉県弁護士会に懲戒請求した。
子どもの陳述書
たしかに12歳と言えば自分の意思も出てくるし、それでなくても父親を敬遠する態度を見せることもある。宗像さん父子の場合はどうなのか。
「現在継続中の裁判で、裁判所が行なう調査官の聞き取りでは、娘はしっかり両親の関係を認識していました。ぼくが『会いたい』ことを知っているし、ぼくが娘の部活動をたまたま通りがかったときに見ているのを娘が見かけてそれを母親に言うと、『いやだね』と返事がきたそうです。だからママが『会わせたくない』と思っているということもはっきり言っていました。にもかかわらず、高裁では母親は、会う回数は少なくていいという内容の陳述書を娘に書かせました。いくら裁判で勝ちたいからといって、母親の気持ちを知っている子どもに父親を裏切るように促すなんて」
娘が自分で書いて提出してくるということはないのだろうか。
「そうだとしてもぼくのことを『彼』と書いている娘のメモをそのまま出してきますか。どういう論点があるかなんて母親が言わなきゃわかりません。今は会いにこない上の子のメモもいっしょに出してきましたし。それに石川さんらが母親が書かせた娘の陳述書を出してくるのは二度目です」
母親側が以前半年ほど宗像さんに娘さんを会せなかった際、宗像さんは母親に損害賠償の裁判を起こしている。その際やはり、石川氏らが出してきたのが娘さんの陳述書だという。
「娘に『あの人』と書かれて傷つきました。さすがに前回は裁判長が子どもの気持ちを考慮してもう出さないように釘を刺しました。その後裁判の中で母親に『これはあなたが書かせたのか』と聞くと、『はい』とあっさり答えていましたよ」(続く、共同親権運動ネットワーク)