公明党の共同親権制度導入検討プロジェクトチーム(大口善徳座長=衆院議員)は21日、衆院第2議員会館で、ハーグ「子の奪取」条約の批准に慎重な検討を求める市民と法律家の会(ハーグ慎重の会)の長谷川京子、吉田容子両弁護士と意見を交わした。
ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約)とは、国際結婚が破たんし、離婚や別居などで子どもが海外に連れ出された場合、元の国へ戻すことを原則とし、加盟国は子どもの返還に協力しなければならないとするもの。
席上、長谷川弁護士らは、条約の内容がDV(配偶者による暴力)や児童虐待に十分対応できていないことや、子どもの養育環境を考慮せずに強制的に子の返還が可能となることなどの問題点を指摘。
その上で、DV被害者の事例を紹介し「元妻も、養育費のことなどで元夫に相談できるものなら当然している。(面会すら拒み)法を頼らざるを得ない場合は、深刻な状況に追い込まれていることが多い」と強調した。
一般に、条約に加盟する欧米諸国の多くでは、離婚後も父母に共同で親権が認められ、同居しない親にも面会権が与えられている。一方で、日本の民法では共同の親権は認められず、面会についての明確な規定もない。日本は、こうした欧米諸国との法律や慣習の違いを背景に条約に加盟していない。
このため、元妻が子どもとともに日本に帰国し、子どもを取り戻そうとした米国人の元夫が、日本の国内法で逮捕される一方、米国では「元妻が子どもを拉致」と報じて批判するなどの問題も生じている。
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