別居親が学校行事に参加出来るよな指針を(令和2年2月25日衆議院予算委員会)

質疑では、学校側が両親間の合意を促すとなっています。
問題は、学校側が、参加していい親かどうか決める権限があるのかどうかということです。学校は本来的に親から子どもをあずかる立場ですから普通に考えてできません。

法務省側は学校の裁量があるかのように言っていますが、庁舎管理権や住居侵入で実力阻止しているだけで、これは民法766条とは関係ない措置で、行政による親の養育権への侵害です。また766条は民事上の取り決めなので、双方の親から一方に学校参加を委託するような申し出があるような場合以外は、吉川議員のおっしゃるように取り決めがない場合の基準にはなりません。

学校が一家庭に一つプリントを渡すというのであれば、「子どもにとって離婚とは家が二つになること」なので、別居や離婚に伴い二つになった家庭それぞれに1枚プリントを渡せばよいのです。何も問題が生じません。子どもに2枚プリントを渡せばよいのです。双方で参加に合意ができていない場合は、それぞれの家庭で別個に参加するという合意をしているという実態があるだけで、学校現場は何も混乱しません。親権のあるなしは関係ありません。

親権者に親を学校に来させないといった権限はありません(そもそも保護者は自己申告制で親とは限りません)。文科省が指針を出すとすれば、こういった実態を認めず、権利を乱用する親権者から要請が来たときに、上記のような原則的な対応を示せばよく、その際、保護命令などの確認を求めればすみます。

保護命令や刑事上の犯罪歴は別居親のプライバシーにかかわることなので、別居親に限ってそれを行政機関で共有すべきことかどうかは考える必要があります。

要は協議離婚もDVへの刑事的な対応もないので、双方の公平な話し合いがなされず学校現場が混乱しているのです。混乱させているのは法務省民事局と裁判所です。

5年前