同居親不在でも子引き渡し 強制手続き明記 法制審部会が法改正要綱案

 法制審議会(法相の諮問機関)の民事執行法部会は31日、離婚に伴う子供の引き渡し手続きを明確化する法改正要綱案をまとめた。裁判所に子供の引き渡しを命じられた親が現場にいなくても、引き取る側の親がいれば、執行官が強制的に引き渡せる-などとした。

子供の連れ帰りは、国内では民事執行法、国外はハーグ条約実施法が適用される。国外から国内に連れ帰ってしまうケースは特に問題視されており、国際社会から法の見直しを求められていた。法務省は早期に関連法案改正案の国会提出を目指す。

ハーグ条約実施法では、一方の親が子供を連れ帰った場合、裁判で引き渡しが確定した後、連れ帰った親に引き渡すまで制裁金を支払わせる「間接強制」の手続きが必要になる。いきなり返還させると子供に悪影響を与える恐れがあるための措置だが、手続きには時間を要するのが実情だ。

また、裁判所の執行官が引き渡しを求める代替執行の際、子供と連れ帰った親が一緒にいることが必須条件になっていることから、親が子供を隠すなどして抵抗した場合は執行ができなかった。

要綱案では、あらかじめの間接強制の手続きを不要とする▽連れ帰った親と子供が一緒にいなくても代替執行できるようにする▽代替執行の際は原則、連れ帰られた親側を立ち会わせる-が柱で、一連の手続きに際しては子供の利益に配慮することを求めている。

連れ帰られた子供の返還をめぐっては、民事執行法には明文規定がなく、動産の返還請求手続きを類推適用していた。一方、日本は平成26年にハーグ条約を締結したが、実効性が不十分だとして、今年5月に公表された米国務省の年次報告書では「条約不履行国」に分類されている。

6年前