子を在米の父に引き渡すよう命じる判決 名古屋高裁

 国境を越えて連れ去られた子の引き渡しについて定めたハーグ条約に基づき、日本の家庭裁判所に子を引き渡すよう命じられたのに応じない母に対し、在米の父が引き渡しを求めた人身保護請求の差し戻し審の判決が17日、名古屋高裁であった。戸田久裁判長は「(母の子に対する)拘束には顕著な違法性がある」と、父に子を引き渡すよう言い渡した。

連れ去りは2016年、在米の日本人父母の間で起きた。母が父の同意なしに当時11歳の子と米国から日本に入国。父は子を返すよう求め、東京家裁は訴えを認めたが、母子ともに拒絶した。父は別の手続きで、子の人身保護請求を申し立てたが、名古屋高裁金沢支部は請求を棄却。今年3月に最高裁が「拘束には顕著な違法性がある」との判断を示し、審理が名古屋高裁に差し戻された。

この日の判決で戸田裁判長は、子が十分な判断能力がない11歳で来日してから、父と意思疎通が十分に図れず、母から不当な心理的影響を受けているなどと指摘。母が家裁の決定に従わないことなどから「拘束には顕著な違法性がある」と判断した。

ハーグ条約は、国境を越えて連れ去られた子は原則、元の居住国へ返すよう規定している。日本では14年に条約が発効した。(仲程雄平)

朝日新聞社

1か月前