「母子家庭貧困の一因」養育費算定、最高裁設置機関が見直し検討

母子家庭の貧困は、実子誘拐の放置と単独親権制度です。
日弁連やいつもの棚村さんは養育費をピンハネするために、
アンケートで協力させておいて、別居親団体の意見を無視する、不誠実な態度を依然続けています。

5/8(火) 12:21配信

読売新聞(ヨミドクター)

 養育費などの決め方について、最高裁の設置機関が見直しも視野に研究を始めることがわかった。多くの裁判所が使っている計算方法は迅速に額を算定できるが、最低限度の生活を保障する生活保護より低くなる場合があり、「母子家庭の貧困の原因」との指摘もある。日本弁護士連合会が2年前に提案した計算方式を採用する司法判断も出始めており、現行方式が改められる可能性が高まっている。

■現行方式、生活保護費を下回るケースも

母子3人の生活費は月8万9000円――。夫の不貞行為を理由に、5歳と3歳の息子を連れて別居した大阪府内の30歳代の女性が夫に生活費の支払いを求めた審判で、大阪家裁が昨年9月に示した金額だ。

女性は言葉を失った。自身が暮らす自治体で同様の母子世帯が受け取る生活保護は14万円。「夫が悪いのに、なぜ私たちがこんな目に遭うのか」

今回の場合、夫は民法上、妻子に自分と同程度の生活を保障する「生活保持義務」があるとされる。だが、夫は生活費を支払っても手元に約25万円が残るという。

女性は大阪高裁に抗告したが、認定額は10万円だった。女性は「生活保護よりも低い。どこが同等なのか」と憤る。女性の代理人弁護士も「自治体に生活保護を申請しても、夫がいることを理由に、断られる可能性がある」と訴える。

■ひとり親世帯の半数以上、貧困状態か

家裁や高裁が金額を決めるのに用いたのが「簡易算定方式」という手法だ。養育費や、夫婦が別居中の生活費について、収入や子どもの数などを基に、一定の計算式ではじき出す。

同方式は東京と大阪の裁判官らによる研究会が2003年に法律雑誌に発表した。本来、養育費などは夫婦が協議して決めるものだが、現実には主張が対立してまとまらないことが多く、新生活に支障が出るため、素早い解決につながるとして各方面に浸透していった。

ただ、収入から交通費や交際費など7費目に及ぶ仕事関連の経費や住居費、保険料を差し引くことを認めている。除外額は5~7割となり、支払額が低くなる欠点も指摘されている。

厚生労働省によると、16年に離婚した夫婦は約21万組。1990年代後半から3組に1組が離婚する流れが続いている。離婚後の生活は厳しい。15年の厚労省の調査では母子家庭などひとり親世帯の半数以上が貧困状態にあるとされた。

日弁連は12年、主に夫に有利な傾向となる同方式も貧困の一因と指摘。16年には、収入から除外できる金額を見直したほか、子供の年齢や人数に応じ、費用を細かく算出するなどした算定方式を公表した。この方式だと生活費や養育費は現行の約1・5倍に増える。

■夫と母子の格差、縮めようと…

日弁連によると、審判などで当事者が新算定方式の適用を求めたケースは少なくとも43件あり、このうち2件は家裁が採用した。

名古屋家裁は昨年11月、別居中の生活費が争われた審判で、簡易算定方式だと約16万円となるところを、23万円に増額。同12月には、福岡家裁も養育費を新算定方式で算出した。

夫と母子の著しい格差を縮めようとする動きは広がっており、最高裁が設置する司法研修所も今年度の研究テーマに生活費や養育費を選んだ。現役裁判官らが簡易算定方式の妥当性を検討する。過去の研究では、DNA鑑定の積極活用や、名誉毀損(きそん)の賠償額の平均基準額などを打ち出し、その後の裁判所の判断に影響を与えている。今回の研究結果も、各家裁などが利用するとみられる。

棚村政行・早稲田大教授(家族法)の話「現行方式は夫に一定の収入があっても、母子は生活保護以下になることが多く、問題だ。離婚が増え、子どもの貧困は深刻な社会問題となっている。裁判官だけでなく、日弁連や関係省庁、ひとり親の支援団体も加わり、数年おきに実態に即して基準を見直すべきだ」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180508-00050017-yomidr-soci

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