書 名:子どもの福祉と共同親権
著 者:日弁連法務研究財団離婚後の親権及ハンズオン!埼玉
出版社:日本加除出版
内 容:【はしがきより】
(前略)研究者の問題意識と弁護士の悩みとは,当然のことながら, 共通のものとなり,本書第1章で紹介しているような経過を経て, 互いに問題意識を交換しながら研究を進めていくこととなった。
弁護士にとっては,共同親権・共同監護という言葉は理解できても, これを実現している諸外国の法制度はどうなっているのか,
それが現実にどのように実現されているのかについて,大いに学ぶところがあ った。研究者にとっても,実務家としての弁護士からみた親権争いの現状に触れて,日本の制度の問題点についても認識を新たにした。本書は,このようにして,研究者と弁護士の問題意識が交錯したところから生まれたものである。
本書で明らかにされているのは,日本におけると子どもの親権・監護を巡る争いの現状とそれが現行の父母離婚後の単独親権制度とどのようにかかわっているのかという点,そして,共同親権・共同監護の法制度を取り入れている諸外国では それを具体的にどのように実現しているのかという点である。
それによると,日本の父母離婚後の単独親権制度の問題が明らかとなり, 共同親権を法制度として実現し,かつ,それを支えるものとしてどのような仕組が必要かについて,示唆を与えるものとなっている。
今後日本でも家族法の改正が日程に上ることとなろうが,その際に, 現行制度のもとにおける実情と比較法的観点を十分にふまえた議論が なされなければならない。本書がその一助になるように務めたつもりである。
来るべき家族法の改正が子どものための改正となるように期待してやまない。
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