2歳で別れた娘の写真を繰り返し見つめては、記憶をなぞり、思いを寄せた。親権という高い壁に、再会を阻まれ続けた父親。娘は9歳で命を絶たれ、その成長の足跡に触れられたのは、不慮の死から約1年が経ってからだった。
秋田市内のアパートで昨年6月、児童養護施設から一時帰宅中だった小学4年の千葉愛実(めぐみ)さんが首を絞められて亡くなった。長女と無理心中を図ろうとしたとして、母親の千葉祐子被告(41)が殺人罪で起訴された。一審判決を伝える今月1日付の朝日新聞秋田版に、愛実さんとの再会を夢見てきた父親(44)の話も載った。
その記事は、愛実さんが4歳のときから暮らしていた施設の関係者の女性の目にとまった。
女性は、愛実さんに父親がいるとは知らなかった。「できれば細かい日常のこと、お父さんの知らないめぐちゃんを伝えてあげたい。良い子だったよって」
朝日新聞への電話がきっかけで6月上旬、2人はファミリーレストランで会った。3時間、女性はありったけの記憶を話した。
負けん気が強く活発で、口数は…
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