仙台市児童相談所が、10代の長男に関する相談記録を離婚係争中の妻に無断で提供したのは違法だとして、父親(49)=仙台市青葉区=が市を相手に300万円の損害賠償請求訴訟を仙台地裁に起こし、市側は13日の第1回口頭弁論で請求の棄却を求めた。
訴えによると、長男は2009年に先天性の難聴が発覚。妻が長男の治療を拒み続けたため、父親は14年7月に児相に相談した。妻は長男を連れて別居し、同12月、離婚を求める訴えを仙台家裁に提起した。
昨年5月、離婚訴訟の提出資料から児相が父親の相談記録を妻側に提供した事実が判明。市は今年3月、情報提供は不適切だったとして児相所長ら3人を厳重注意処分とした。
13日の法廷で市側は、個人情報の目的外利用を認めつつ「長男に治療を受けさせるよう母親に勧めるためだった」と主張し、請求を退けるよう求めた。父親側は「無断で情報を開示され、プライバシーが侵害された」と訴えている。
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