仏南部で3歳少女が誘拐される、ロシア人母に連れ去られた可能性
【3月22日 AFP】フランス南部アルル(Arles)で20日、海洋学を研究するジャン・ミシェル・アンドレ(Jean-Michel
Andre)氏が、3歳の娘が誘拐されたと述べたことを受けて、欧州警察当局は21日、欧州全域に警戒情報を発令した。エリーズちゃんは、フランス人父とロシア人母との国際的な親権者争いに巻き込まれていた。
父親のアンドレ氏は、AFPに対し、娘のエリーズちゃんが学校から帰宅したところで連れ去られたと語った。その場にいたアンドレ氏は、警備員の格好をした男2人に激しく殴りつけられたという。
また、アンドレ氏は、男2人のほかにもう1人、全身黒服の女が誘拐現場にいたと述べ、その女が別居中の妻イリーナ・ベレンカヤ(Irina
Belenkaya)氏に「間違いない」と語った。
エリーズちゃんはロシアとフランスの二重国籍を持っており、フランスとロシア両国で法廷闘争が起きていた。ロシアの裁判所は母親のベレンカ氏の親権を認める一方、フランスの裁判所は2007年にアンドレ氏の親権を認める判決を下していた。
アンドレ氏によると、以前にも妻にエリーズちゃんをロシアに連れ去られたことがあり、2008年にアンドレ氏自身がロシアへ行き、エリーズちゃんを連れ戻したのだという。アンドレ氏は、今回もモスクワ(Moscow)に行って娘を連れ戻してくると誓った。「わたしはモスクワへ行く。娘を連れて帰ってくる。わたしの娘だ」
しかし、アンドレ氏にはロシア警察から逮捕状が出ている。前回エリーズちゃんを連れ戻した際、ロシアから密出国したためだという。アンドレ氏は、AFP
に対し「いまロシアへ行くことは自殺行為だ。昨日起きたことを見ただろう。偽名と偽造パスポートでロシア入りする必要がある」と語った。(c)AFP