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対立強化
このところ、筆者が所属する団体でも、こういった事例について何回か取りあげたが、とにかく揚げ足を取られる材料を積極的に探してきて、別居親側が反社会的な人間だと裁判所に印象付ける。中身は、セミナーでしゃべった、ネットに書きこみをした、デモに参加した、仕事をやめた、何でもいいのだが、それに対して反論すると、「対立が強い」と面会を制約する理由にする。
対立が強い場合には、協力の前提がないので面会ができない、という裁判所のこれまでの先入観をくすぐる意図的な戦術であり、中には虚偽について代理人が知っていても、クライアントの意向を受けて意図的にそれを見逃す場合もある。筆者も経験がある。
代理人にとってみれば、それが虚偽であることが証明されたとしても、別居親側の手を煩わさせることで時間を稼ぐことができ、対立の強化は演出できるので、重要な問題ではない。対立の最中に子どもを立たせるのはよくないと、弁護士たちがこの間キャンペーンを張っているのは、この手法が通用しなくなると、暴力被害が立証できない場合に引き離しができなくなってしまうからである。
子どもへの尋問
同居親側が「会わせたくない」と言うと、「子どものことを考えないわがまま親」と印象付けてしまうと、最近の家裁での部の悪さを悟った弁護士たちは、どうやって子どもに「会いたくない」と言わせるかに知恵を絞るようになった。
実際日弁連が2014年に実施したアンケートでは、面会拒否について子どもの意思が何らかの理由になっているのは、37%となっている。民法766条が改正された直後には、仲間が裁判所の待合室にいるとき、弁護士と母親がどうやって子どもに言わせるのかを打ち合わせている場面に出くわしたという。最近では、面会が実現していない時点で、あるいは、新たに面会日を付け加える話し合いを双方している時点で、同居親側の代理人が子どもに電話をかけ、「会いたいかどうか」を聞くことがあり、実際筆者もその経験がある(先の石川英夫、石川さやか弁護士)。子どもの発言で面会を拒否させるのだ。
問題は、面会に同居親側が消極的だから同居親側の代理人からわざわざ聞かれるということくらい、子どもにはわかるということだ。子どもと同居親側の代理人は、すでにこの時点で利益相反であり、つまり子どもに意見を聞く、という一見子どもの意見表明権の実現であるかのような行為は、実際には、意に反する発言を強いられるという点で、尋問にほかならない子どもの権利侵害である。
見ず知らずの弁護士からいきなり電話がかかってきて、「お父さんに会いたい」と聞かれて、素直に「はいそうです」などと答えるのを期待しているとしたら、子どもに「知らないおじさんにはついていっちゃダメ」なんて親は教えられない。
請求異義
最後に、同居親側が面会を拒否して、裁判所に対して間接強制の強制執行をした場合に、同居親側の代理人から、間接強制と面会交流に対して請求異議の裁判を申し立てられる事件がある。どうやら申請のアンチョコが弁護士の間で出回っているようなのだ。訴訟なので1年以上かかり、紛争中を理由に同居親側代理人は面会を拒否する。その後、「子どもの意思」を理由に、再度審判を申し立てられ、面会が減らされるか間接交流となり会えなくなる。というのがパターンだ。
面会交流の取り決めは民法上の債権債務の関係である。本来であれば「子どもの意思」は関係ないはずだが、面会交流に限って、こんな無理筋がまかり通ってしまう。裁判所も裁判所だ。こんな裁判を許していたら、借金の棒引きなどいくらでもできてしまって、法治国家として機能しなくなる。それでなくてもガタ落ちの家庭裁判所の信頼を、自分からますます低下させてしまってどうするのだ。
以上、最近の弁護士たちの引き離し事例を見てきたが、これまでのようなオーソドックスなDV、虐待のでっち上げや、支援措置による住所秘匿の手法も出回っている。弁護士たちは、そういった手法が出回り通用しなくなることで手口を変える。まるで振り込み詐欺の進化を見ているようだ。
もちろん上記指摘した各点は、ローハラであるとともに、親や子どもの権利侵害であり、名誉棄損などの犯罪行為も含まれている。たちが悪いのは、自分たちは正しいと思いこんで、被害者の権利を主張すれば、自分たちの主張が通ると、犯罪行為の正当化を図るところだ。弁護士会に懲戒しても「不法性がない」と説明もなく門前払いをするのが通例である。
最近は、父親が「片親疎外」と主張すると、「そういう考えは間違っている」と堂々と弁護士が言い返して子の引き離しを実行することすらある。業界の自浄作用など望むべくもない。
家庭内暴力は密室で生じる。立証が難しくDVの主張がなかなか通らない、などと弁護士たちが嘆いたところで、でっち上げのDVなどがあまりにも裁判所でお馴染になった結果なのだから、DVや虐待の被害者が救われない状況を用意してきたのは、実は弁護士たちなのだ。「疑わしきは罰せず」という大学の法律講座の入門で教えるような基本的な法律の原則を知っていながら、家庭内暴力の場合は一切合切無視して、手続きを整えずに、実子誘拐の末に親子引き離しを実行し、男たちをDV夫などと言いたい放題言ってきたのだ。その上、1・5倍の算定票で母子家庭の貧困を救済するなど、自分たちがシングルマザーを量産しておきながら、いったいどの口がそう言えるのだろうか。
そんな寝ぼけた主張は、成功報酬で離婚事件を受けることを業界の倫理規定として自ら規制し、養育費のピンハネをするような弁護士を業界から追放してから言うべきだ。