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2017年になって、反別居親法撤廃の運動に対して、バックラッシュの動きが激しくなっている。
この間、民法766条改正や、親子引き離しセンターという批判を受けて裁判所は、間接強制のガイドラインを示したりして、面会交流実現のための、一定の前向きで現実味のある判断を示してきた。ところが最近になって、弁護士たちの原則面会交流実施論批判や、兵庫県での「父子心中」後の「面会交流は危険」キャンペーンを受けて、取り決めにおいて「協議して定める」という実現不可能な文言を残したり、間接強制の請求異義を認めたりするなど、面会交流を裁判所が一時よりより制限的にする場面も出てきた。
ここでは、こういった主張の是非について取りあげないが、原則面会交流実施批判の論陣を張る、主に弁護士たちが、実際にはどのような手法で親子を引き離そうとしているかを知ってもらいたいと思う。以下、筆者のもとに寄せられた引き離しの最新手口を紹介する。
調停欠席
最近聞いて驚いたのは、代理人がついているにもかかわらず、調停初回に同居親側が誰も来ないという事例だ。通常、調停の期日は双方の日程を調整して決めることが可能なので、引き離し代理人側が「差し支え(用事が入っている)」を連発して、期日設定を先延ばしするということはある。期日を先延ばしすれば、その間監護実績を積むことで親権の取得が容易になる。
それでもさすがに何カ月も先にするわけにはいかない。そこで最近は、調停の期日を設定したにもかかわらず、当日欠席するという引き離し手法を選択する弁護士がいる。もちろん裁判所への心証はよくないが、それでも引き離し期間が長引けば、それだけ面会交流は非現実的と裁判所に印象づけることができる。
ちなみに筆者は、面会交流の不履行についての不法性を問うた損害賠償請求の民事事件で、一審で不法性を認めさせ、それに対して元妻側が提起した控訴審で、元妻側の代理人(石川英夫、石川さやか弁護士)が当日欠席するという事態に出会ったことはある。裁判所は即日結審し、元妻側の不法性が確定した。負けを見越して手を抜いたのかもしれないが、裁判が確定するのを先延ばすことには成功している。
とにかくだんまり
さらにそれを発展させた引き離し手法は、婚姻費用については代理人として受任するが、面会交流や夫婦関係調停などそれ以外の家事事件手続きについては受任せず、同居親が一切問いかけを無視するという手法だ。これまで、当事者間の任意の協議について、同居親側の代理人が、別居親側からの答えに窮すると、別居親側に代理人がついていないことを見越して、途中で打ち切るという事例は散見され、筆者もその経験がある(先の石川英夫、石川さやか弁護士)。
親にとっては人格権の侵害行為だが、子どもから見ても子どもについての親どうしの話し合いを、どちら側の代理人であれ妨げる行為は権利侵害に当たるので、その点を指摘すると弁護士は通常はなかなか拒めない。実際、石川弁護士らは、筆者側に代理人がついて以来、協議に応じるようになった。
しかし、相手方に代理人がついていないと、こういった権利義務についての理屈がそもそも通用しない。問いかけに一切応じないどころか、調停を申し立てても一切無視して一度も出てこない。もちろん裁判所の履行勧告も無視する。妻側の代理人に聞いても、「私が受任しているのは婚費だけ」と取りあわない。こうなると話し合いの糸口がなく、離婚するしない、子どもに会う会わない、話し合いがまったく進まない。しかし婚姻費用だけはとられる。やはりその間時間だけが経ち、離婚にも親子断絶もより容易になる。
裁判所の呼び出しを無視し続けるというのは、普通は代理人に聞けば「そこそこにしておけば」というので、こういった極端な手法は弁護士が知恵をつけなければとれない。こうなると、DVや虐待などをでっち上げてかえって名誉棄損で訴えられる心配もなく、引き離しが可能になる。
「詐病」
ここ数年流行っているのが、子どもを受診させて適応障害や、発達障害の診断名をとり、面会を求められ、逆に会せたことによって「発症した」と引き離しの根拠にする手法だ。
筆者も別居親に相談されて実例を知っている。その事例で父親は何年も子どもに会うために裁判所に通い続けていたが、ようやく導入面会にこぎつけ、審判でも裁判官が会せる方向で決定を出そうとしていた矢先に、子どもが発達障害ということで入院することになった。このときに至るまで妻側の代理人は何回か変わっていたが、この時点では別姓訴訟の事務局長をしていた打越咲良弁護士だった。驚いたことに、さすがに入院では、と面会をさせる審判を裁判所が出さなかったのを見届けてか、子どもは決定後に退院している。
こういった事例が、「詐病」かどうかについては、別居親側は確かめようがない(もちろんそれを無条件で信じる裁判所は問題だ)。ただし、診断書が一方の聞き取りだけで安易に出されることについては、弁護士の棚瀬孝雄さんがフェイスブックで実際に医者と話した体験談としてレポートしている(https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1454192121330812&id=100002201133026&pnref=story)。
しかし問題は、それが詐病かどうかということではなく、同居親側の代理人として、親に会わせずに子どもを「病気」にさせたこと自体を望ましいことと考えて、診断書をとってきて恥じない倫理観の欠如である。「男性優位社会」だからと言えば、女が何をやっても許されるとでも考えているとしたら恐ろしいことだ。