中日新聞:<子の幸せは?> 両親離婚、体験者が語る会 両親の離婚について当事者らが語った会=千葉市で

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2017080402000006.html

2017年8月4日配信

中日新聞

<子の幸せは?> 両親離婚、体験者が語る会

両親の離婚について当事者らが語った会=千葉市で

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 両親の離婚に、子どもたちはどんな思いを抱いているのか。親は離婚しても子の成長に、物心両面で責任を果たさないといけない。しかし、面会交流や養育費の支払いは必ずしもされておらず、不利益を被る子どもたちが少なくない。子どものころに、両親の離婚を経験した若者たちが自身の体験を語る会に参加し、思いを聞いた。

 「父が亡くなっていると言われても多分、何とも思わない」

 六月末、千葉市で開かれた「かつての『子ども』に聞く離婚後の親子関係」と題した会。小学校低学年のころ両親が離婚し、母と暮らしてきた会社員女性(26)は、親子の絆が途切れた父への思いを淡々と語った。

 離婚後に会ったのは中学の時に一度きり。連絡先も分からないし、父から会いたいという話もなく、養育費の支払いもない。しかし、離婚直後から父に無関心だったわけではない。母からは父の悪いことしか聞かされなかった。母の気持ちを聞いて育つうち、自分の気持ちが分からなくなっていった。もちろん、母に深く感謝しているが、「感情を押しつけないでほしかった」という思いも抱いている。

 会では、首都圏に住む十代後半から三十代の男女七人が、両親への思いや離婚に対する考えなどを語った。小学四年のときに両親が離婚したという会社員女性(22)は、父とは離れて暮らしているが繰り返し会い、養育費も受け取ってきた。「お父さんはいつも『私の子どもだから。頼ってくれ』と言ってくれた。両親は別れたけれど、お父さんの子どもなんだという安心感があった」と言う。母も父に会うことを認めてくれており、「(両親から)愛されていることに疑問を持ったことはない」と話した。

 七人は、子どもの立場から離婚した親に望むことも話していった。「経済的な事情で将来の進路が限られたり、(離れて暮らす)親に会いたいと言っているのに会わせてもらえなかったり。大人の判断で決めてほしくない」(団体職員男性・二十九歳)、「(離婚による)自分の傷やフラストレーションを子どもにぶつけて解消しないでほしい」(大学院生女性・二十四歳)といった声が上がった。一方、「離婚に責任を感じ過ぎないでほしい。子どもは自立していくし、結果的に(両親や自分を)客観的にみられるようになる人が多い」(大学生女性・二十一歳)という意見もあった。

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 人口動態調査によると、未成年の子ども(未婚のみ)のいる夫婦の離婚件数は、離婚件数全体のおおむね半分を占める=グラフ。離婚に際しては、両親の話し合いが中心となるため、子どもは当事者でありながら話し合いの蚊帳の外に置かれがちだ。会を主催した面会交流支援に取り組むNPO法人ウィーズ(千葉県船橋市)の副理事長光本歩さん(28)は「子どもの意見は、性格や家族の状況などで一人一人違う。また、その時々で変わっていく。大人は勝手に判断せず、離婚後も、常に子どもの思いを聞き続ける姿勢を持ってほしい」と話した。

 ただ、両親も離婚で傷つき、子どもに寄り添う余裕がないこともある。光本さんは離婚した家族への社会的支援の必要性も指摘する。「子どもはもちろん、破綻した双方の親とも信頼関係を築きながら、親子とともに歩んでいける支援者が増えていくことが求められる」としている。

 (寺本康弘)

3週間前