BuzzFeed Japan:「子どもを守るために、会わせたくない」 元夫からのモラハラに苦しんだ女性が決意したこと

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「子どもを守るために、会わせたくない」 元夫からのモラハラに苦しんだ女性が決意したこと

BuzzFeed Japan 4/28(金) 18:12配信

離婚後、子どもとの面会をどう取り決めればいいのか

離婚・別居した親と子どもの「面会交流」を、どのように取り決めればいいのか。集会で、当事者が胸の内を明かした。【BuzzFeed Japan / 小林明子】

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目の前で親が暴力を振るわれるのを見たり、精神的・身体的な虐待を受けたりする子どもたちを、どうすれば守ることができるのか。

子どもや女性の安心、安全を守るための法整備を目指すグループが4月28日、衆議院議員会館で院内集会を開き、国会議員や厚生労働省、法務省の担当者ら約80人が参加した。

兵庫県伊丹市で4月23日、父親が4歳の長女と死亡した事件があったばかり。離婚して初めての面会交流中に無理心中したとみられている。

集会では、離婚や別居で離れて暮らしているほうの親と子どもの面会交流について「面会させることがいい、という前提ではなく、本当に子どもの利益になるかどうかで判断すべきだ」という意見が相次いだ。
子どもを振り払った父親

離婚した元夫からモラルハラスメントを受けていたという女性は集会で、自身の体験をこのように語った。

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別居する前、夫は子どもの親権を主張し、育児の実績づくりに精を出しはじめました。早く帰宅したり、休みの日に子どもを遊びに連れていったり。自分がいかに育児をしているかを家庭裁判所で主張するためでした。

家の中で緊張を感じていた子どもは、学校でもお腹が痛いといって保健室で休むようになりました。家族がどうなるか心配で、ずっとぼーっとして授業を聞けなかったそうです。

ある日、暴言を吐いている夫に「なんでそんなこと言うの!」と子どもが立ち向かっていきました。振り払われても何度も立ち上がって身体の大きな夫に向かっていく小さな背中を見て、もうだめだ、子どものためにも家を出なければいけない、と決めました。

親子断絶防止法案が議論されています。夫と話し合いもできない私のようなケースはどうなるのでしょうか。子どものために作るはずの法律なのに、一番得をするのはDV加害者ではないか、と思います。

今年に入ってから、面会交流に関わる事件が2件も起きてしまいました。他人事とは思えず、恐ろしく悲しくて悔しい気持ちでいっぱいになりました。本当に子どものためになる法律はどのようなものか。じっくり考えていただきたいです。

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2012年に施行された改正後の民法766条では、面会交流や養育費の分担について「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と明文化された。2013年には、面会交流調停事件の申立件数が全国で1万件を超え、2009年の1.5倍となった。親権裁判でも面会交流の取り組みをめぐる判断が注目を集めている。

子どもの意思を尊重して

集会では、「面前DV」(DVを目撃すること)の子どもへの影響について、弁護士の斉藤秀樹さんが今年3月の東京大学の調査や福井大学の研究を引用して説明。

子ども自身が暴力や虐待を受けていなくても、両親の不和や暴力を目撃することによって、将来的に人間関係を築きづらくなったり、引きこもりになったりするリスクがあると話した。

引きこもりやうつなどの「内向的な問題」、非行などの「外向的な問題」、「総合的な問題」のいずれにおいても、面会交流をしている子どものほうが、面会交流をしていない子どもよりも、問題を抱えている割合が高い結果になったという。

臨床心理士の酒井道子さんは、両親の不和によって長期に渡ってトラウマに苦しむ子どもたちの事例を紹介。父親の暴力を目にしてきた7歳の男の子が両親の離婚後、5歳の弟を父親と同じように暴力で支配しようとし、母子3人の生活にも影響を及ぼした例などがあるという。

「親子は交流を続けるのが望ましいという前提ではなく、子どもの安全を守ることが第一。子どもには、年齢に関係なく意思や気持ちがあります。言葉で表現できない小さな子なら、サインを見逃さないで」

集会を開いたグループは、子どもの権利や利益を主体に考える「子どもの養育監護基本法(仮称)」の制定を提案している。

Akiko Kobayashi

7年前