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清原和博ショックで考える「ひとりぼっち」「離婚」の大ダメージ
女子SPA! 2月10日(水)9時21分配信
清原和博ショックで考える「ひとりぼっち」「離婚」の大ダメージ
清原容疑者が淋しさを吐露していたブログ(現在は閉鎖)
清原和博の逮捕から1週間強。元スター選手の逮捕は衝撃ですが、ショッキングだったのは、清原が陥っていた「孤独」です。なかでも、2014年に離婚したあと、2人の息子に会えないことが一番こたえていた様子。
去年11月に始めたブログ(現在は閉鎖)では、以前息子が使っていたグラブを見て「ひとしきり泣いた」、「今、1人ぼっちで部屋にいる 今年は(会えるのが)あと一回だけ さみしい」などと書いていました。
また、「息子に会うのだけが楽しみで、それを支えに生きてる」(『フライデー』2/19号)と語ったり、ラジオ番組で息子への想いを語って涙ぐんだりしたそうです。
◆「離婚で子どもに会えない」事態は他人事じゃない
家族問題に詳しい心理カウンセラーの木附千晶さん(IFF CIAP相談室)によると、3組に1組が離婚する昨今、実は「離婚後に子どもに会えない」という事態が社会問題化しているそうです。
「離れて暮らす親(別居親)と子どもが会えるように『面会交流』を行っているのは、ひとり親家庭の3分の1ほどです。子どもに会えない親のダメージは人によりますが、清原さんは、よほど淋しかったんだろうと思います。
子どもにとっても、両方の親に会って愛情を感じることは、人格形成のうえで大切です。端から見ればひどい親でも、『自分の親がどんな人間か』を知り、受け入れていく過程はアイデンティティを確立するために欠かせません」
(木附さん・以下同)
欧米では離婚後も父母の「共同親権」が普通なのに対して、日本は「単独親権」。約8割は母親が親権を持ちますが、なかには我が子を奪われる母親もいます(面会交流をめぐる木附さんの記事を参照)。
清原は月2回ほど面会交流できていたのでまだマシですが、離婚で子どもに会えなくなる事態は他人事ではないのです。
◆離婚や退職でボロボロになる男たち
また、離婚後の清原の生活は、かなり荒んでいたよう。周りを見ても、離婚や退職でボロボロになるのは、なぜか女性より男性のほうが多い気がします。
「男性は弱みを見せるのが苦手で、人とうまく関係を結べない傾向があるんです。特に、仕事の人間関係や肩書を失うと、何もなくなってしまう。
虚勢を張っていた清原さんが、あそこまで弱さをさらけ出したブログを書いたのは、誰かに読ませたかったのかも――もしかすると、元奥さんの亜希さんに“弱い自分をわかってほしい”という気持ちがあったのかもしれません」
◆孤独や虚しさと依存症の深い関係
木附さんによると、「依存症は孤独や虚しさを埋めるために陥る病」で、3つのパターンがあるそうです。
・物質依存…アルコール依存、薬物依存など
・行為依存…ギャンブル依存、買い物依存、摂食障害など
・関係性依存…DVを受けても別れられない、セックス依存など
買い物やドカ食いが止まらない人は、淋しさや虚しさが原因かもしれません。特に薬物依存は根深く、専門家のあいだでも「回復はするが治癒はしない」と言われているそうです。
ただ清原の場合、薬物に手を出したのは現役時代だと報道されています。当時は家族もいたし、今ほど孤独ではなかったはずなのに…。
「親との関係などがわからないので何とも言えませんが、育ちの過程で、弱さやダメなところも含めてちゃんと受け止めてもらう経験がなかったのかもしれません。
だから最初にドラフトで巨人に選んでもらえなかったことをずっと引きずって、結果を出さないと認めてもらえない今の社会で、『承認される人物』になろうとがんばっていたのでは。
去年11月に始めたブログの、いちばん最初の投稿が『あの運命のドラフト11月20日から30年が経ち、新たなスタートをしたいと思います』だったのが気にかかります」
いつの日か、清原と息子さんたちが笑顔で再会できることを、祈らずにはいられません。
<TEXT/女子SPA!編集部>
【木附千晶さんプロフィール】
臨床心理士。IFF CIAP相談室セラピスト。文京学院大学非常勤講師。子どもの権利のための国連NGO・DCI日本『子どもの権利モニター』編集長。著書に『迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり』、『子どもの権利条約ハンドブック』(共著)がある