https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/01/21/235628435
「面会交流」妨害認めず、夫が逆転敗訴
別居中の妻(36)=別府市=とその代理人の女性弁護士により、子どもと定期的に会う「面会交流」を妨害されたとして、夫(39)=熊本県=が慰謝料などの支払いを求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁(田中俊次裁判長)は20日、夫の請求を一部認めて妻と女性弁護士に計20万円の賠償を命じた一審熊本地裁判決を取り消し、請求を全て退けた。
昨年3月の一審判決は、女性弁護士が面会交流に関する協議の連絡方法をメールではなく書面を郵送する方式に切り替えたことを「意図的な遅延行為」と認定。「誠実に協議する義務に違反している」として、妻と女性弁護士に賠償責任を認めた。
これに対し、田中裁判長は「書面郵送による連絡方法が、協議の進展に実質的に影響したとはうかがわれない。そもそも夫は当初、書面またはメールで連絡することを求めていた。遅延を目的とした不法行為とは到底認められない」と判断し、一審判決を取り消した。
一方で、夫と子どもとの面会交流を認めた調停が成立していたにもかかわらず、女性弁護士がその履行を促す熊本家裁の勧告に応じなかった点などは「適切さを欠く」と言及した。
一、二審判決によると、夫婦は2012年から別居。2人の息子がおり、夫と長男、妻と次男が暮らしている。
夫は「納得できない」として最高裁に上告する方針。妻側の代理人弁護士は「主張が認められた」と評価した。
※この記事は、1月21日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。
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