2015年5月21日参議院法務委員会議事録:真山勇一質問、DV法の住所非開示について

http://online.sangiin.go.jp/kaigirok/daily/select0103/main.html

子の福祉の観点を重視したDV事件への対応に関する件

○真山勇一君 維新の党、真山勇一です。
 私も、今日は有田委員はまたヘイトスピーチかなと思っていたら違っていましたけれども、私は今日もちょっと引き続きDVに関しての問題を伺っていきたいと思っております。
 このところ、この委員会でDV防止法のその陰で起きている問題について取り上げてきたんですね。伺うつもりで政府参考人の方に毎回来ていただいたんですが、時間がなくなって、時間切れで質問ができなかったというのがここ何回か続いておりましたので、本当に申し訳なく思っているんですが、今日はその問題からまず取り上げて質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 ある日突然、妻と子供がいなくなってしまった、それで、どこへ行ったか分からなくなってしまって、夫はただただ茫然とするばかり。何とか会いたい、どこにいるのか、会いたい、特に子供と会いたいということがあって捜してみても、自治体の窓口、いわゆる役所の窓口へ行っても住民票を見せてもらえない、つまり住所非開示措置がとられている、こういうことが今起きているわけなんです。
 もちろん、DVがあってはいけない、これを防がなくちゃいけない。ですから、DVが原因でそういうことがあることもあるし、それから今問題になっているのはDVでなくても住所非開示の措置がとられていることがあるのではないか、あるいはその他の理由でももちろんこういうことがあるということなんで、結局、家庭の場合は、特に子供をそのまま一方の親の方に連れ去られてしまうと家庭崩壊が起きて、そしてそのままの状態が続いていってしまうということが起きているわけですね。
 私は、この辺が、DVはいけない、でも、それが原因で例えば子供が犠牲になって、子供にとってはかけがえのないお父さんでありお母さんである人が別れてしまった、そのためにどっちかの親とも会えなくなってしまうという状況が起きてきてしまう。これを何とかやはり救済していく方法ということもこれからは考えていかなくてはいけないんじゃないか。
 これ、このままにしていると、どんどんどんどん別れてしまった、言ってみれば母子家庭が増えてしまうというような状況。そして今、社会で起きているのは、母子家庭の貧困の問題なんというのも起きていますけれども、多分こうしたところに遠からず原因というのはやっぱりあるんじゃないか。子供の貧困にもつながるということで、できれば家族、家庭、修復できれば、できるものは何とかしたいというような私、思いがあるわけなんですけれども。
 例えば、国際的な子の連れ去りの場合はハーグ条約が結ばれました。そして、外務省に中央当局というのができて、問題を解決する環境づくりをするということ、つまり、子の国際的な連れ去りの場合は、元の状態にとにかく戻しましょうよ、そこから話合いを一回しましょうよというのがこのハーグ条約の中央当局なんですけれども。
 例えばこの中央当局のような、崩壊というか、子供を、国内ですけれども、連れ去られた場合に、もう一回例えばどうしても子供に会いたいとか、あるいは少なくとも子供の養育費を何とか出したいというふうなことを思っているどっちかの親の希望も通して、その仲裁というか、ある程度環境づくりをするような、そんな組織というのを設置できないものかどうかということと、やっぱり組織をつくるということになると、例えば法律的な裏付けも必要なので難しいかもしれませんが、やはり今の段階だとそれは裁判所の問題になってしまうのかなというふうに思うんですが、これについて法務大臣にちょっとお伺いしたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 子供さんの連れ去り事件ということでの御質問で、ただいまハーグ条約という条約のことを触れていただきまして、その上で、国内におきましての連れ去り案件について、ハーグ条約で想定しているような中央当局のような制度ができないかという御質問でございますけれども、御承知のとおりでございますが、このハーグ条約につきましては、国境を越えて行われる子の返還あるいは面会交流の援助ということにつきまして、この締約国につきましては中央当局を設置しなければならないと、今外務省がそれ担っているところでございます。
 国際的な子の連れ去り事案と比較いたしまして、国内での子の連れ去りがあった場合でございますが、この場合には家庭裁判所が子の監護者の指定をし、また子の引渡しを求める申立てをすることができると。その意味で、離婚後の養育につきましても、また面会交流につきましても、申立てをして、そしてそれに対して適正に実施をしていくという、そうした仕組みになっているところでございます。
 そこで、御指摘のように、中央当局のような組織を国内の事案のときに設置をするということになりますと、裁判所においての問題解決というところに対しまして、これは私人間の解決におきましては家庭裁判所が行うということでございますので、それに対して行政の方がどの程度まで関与をすべきかというような大変大きな問題が生じるということでございます。その意味でも慎重に検討をしていくべき案件であるというふうに考えております。
○真山勇一君 やはり当面としては家裁ということになってしまうと思うんですが、これから、DVによって家庭崩壊しちゃったものをそのままほったらかしにしていくというのは、やっぱり何とか解決の糸口というのを見付けていきたいなというふうに思っていますので、是非その辺の検討もよろしくお願いしたいと思うんです。
 その裁判の話なんですけれども、確かに今、裁判ではそういう救済、問題解決の方法ありますよということなんですが、いわゆる加害者というふうにされてしまった人たちの話を聞きますと、大変多くの方から言われていることがあるんです。それは、そういうことで保護命令の申立てをしても、審理の中で、裁判は本来公平であるべきなのに、なかなか公平ではないんじゃないかというような印象を持たれているいわゆる加害者の方が多い。
 なぜかというと、つまりDVがあったかどうかの事実認定を、きちっとその調査なりもう一回調べ直しをしてくれるかというと、そうではなくて、どちらかというと、もうDVがあったんですねということで審理が行われてしまうことが多くて、場合によっては門前払いに近いような形で、もうDVがあったんだからあなたの方との話合いは多分被害者の方はできませんというようなことがあるんだというようなことが、かなりそういうふうなことが私も伺っているんで。
 その辺りというのは、裁判というのはもちろん手続に沿って進められているんでしょうが、DVの認定ということがしっかりと双方の意見を聞いて行われているかどうか、裁判所に伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(菅野雅之君) お答え申し上げます。
 いわゆる保護命令申立て事件の審理につきましてですが、DV防止法十四条一項によりますと、保護命令は、原則として、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審理の期日を経て発することとなっております。これは、保護命令は相手方の権利を制限するものであるため、相手方の反論の機会を手続上保障したものでございます。
 裁判実務の運用におきましても、この法の趣旨に従い、保護命令の申立てがあった場合には、原則として相手方を期日に呼び出し、適切に意見を聞く機会を設けているものと承知しております。
 以上でございます。
○真山勇一君 やはりDVとはどういうものなのかというようなことがとても難しいので、例えば加害者の方にはやっぱりそういうような、加害者に逆に言うと被害者意識みたいなものがあって、そういうことがあるんじゃないかというふうに思っています。
 是非、裁判の方は公正公平にこれは行われているというふうに理解したいというふうに思っておりますし、やはり何よりも両者の言い分を本当に公平に聞くということが大事だということを是非裁判の審理の中では銘記して、しっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
 またちょっと上川大臣にもお伺いしたいんですが、DVというのはなかなか今の段階では、例えば薬物なんかだと更生とか、それからDVでも犯罪になってしまえば当然それなりの処置を受けてまた社会復帰してくるということがあるんですが、そうでない場合、やはり今の状況では更生とか、あるいはDVを治療したということが難しいわけですが。最近は民間のNPO法人なんかでも、そうした崩壊してしまったいわゆる家族、夫と妻の言い分を聞いて何とか修復しようなんという動きも出てきているようなんですけれども。
 DVを反省したり、それから本来DVはなかったから何とか修復できるというようなことの上で、例えば子供の共同の保育ですとか面会交流を持ちたいという親に対してその機会確保していくということは、やはり大事なことというか必要なことではないかと思うんですが、家族の修復、再出発というような面ではどんなふうにお考えか、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) お子さんにとって両親、親御さんという、離婚していようが、またどういう状況であろうが、親であるということには全く変わりはないということでございます。その意味で、両親が適切にお子さんの養育に関わるということにつきましては、これは子供さんの視点ということに立ったときにおきましても大変重要なことであるというふうに考えております。
 ただ、DVの事案ということで、仮に配偶者へのDVが認定された者についての今様々な更生とかあるいは治療というようなプロセスを経たところでというお話がありましたが、やはり共同養育とか共同の面会交流ということにつきましては、子供さんの視点に立ってとても大事にしていくべきことであるというふうに思っておりますので、その意味で、様々な第三者が介入するというような形で工夫を重ねながら、また段階と時間を掛けながら、様々な交流やあるいは養育の実現の努力がしっかりと図ることができるように、そしてそのことが子供さんにとっての利益に最大限生かされることができるようにしていくということが何よりも大事であるというふうに考えております。
○真山勇一君 やはり子供の権利というか子供を第一に考える、福祉を考えていくということは、様々な原因で子供が犠牲になっているかもしれないけれども、その辺りは大変大事だと思いますので、是非、法務行政としても、やはり子供をまず優先的に考えるということを、民法にもあるわけですから、そういうことをやっていっていただきたいなというふうに思っております。
 それから、お配りしたちょっと資料を見ていただきたいんですが、これはもう前回もちょっと別なところからの同じものを出しましたけれども、住民基本台帳事務における支援措置申出書というやつで、例の住所非開示の申請をするための、これ、地方自治体の窓口でいわゆる被害者と呼ばれる方から申請があった場合、この書類を出して、そして一番下にありますけれども、相談した窓口、警察ですとか支援センターのいわゆる意見を書いて、確認を書いて、そして窓口へ持っていくと住所非開示になるということなんですが。
 これ、今日提出させていただいたのは私の地元の調布市なんですが、調布でちょっとこの問題についてどんなことが現場であるのかなということを伺ってきたんです。先日、総務省の方から新しいシステムができるというようなことがありましたので、その辺も含めて話を伺ってきたんですが。
 まず、この申出書で上の左側のところを見ていただくと、申出者、これはもちろん被害者になるわけですけれども、その下に加害者、判明している場合というのがあります。やはり最近、DVとかストーカー、その下にあるんですが、DVとかストーカーは横ばい状態なんですが、一番右端にあるところのチェックが多いと。加害者という欄の空欄、つまり名前が書いてなくて、そして、左側のDVでもないしストーカーでもないし児童虐待でもなくて、一番右側の、犯罪の関係で生命、身体に重大な被害を受ける可能性がありというようなことが書いてありますが、このところにチェックをして、そして住所非開示を求めるケースが非常にちょっと増えてきているという、これはもしかすると私の地元だけの傾向かもしれないんですが、そういうことを伺いました。
 まず、ちょっと伺いたいのは、加害者の名前がなくても住所非開示という措置はとれるのでしょうか。
○政府参考人(佐々木敦朗君) お答えをいたします。
 DV等の支援措置は、住民票の写し等の交付等の制度を不当に利用してDV等の加害者が被害者の住所を探索することを防止をして、被害者の保護を図ることを目的とするものでございます。
 このDV等には、委員が今お示しいただいた資料から分かりますように、ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待、それからこれらに準ずる行為もいうわけでございますが、例えばDVについては、配偶者からの暴力であるように、通常、加害者は特定されていると考えられるわけでございますが、一方、例えばストーカー行為につきましては、相手が特定されていない場合でも反復して付きまとい等をされる可能性もあるわけでございます。それから、DV、ストーカー行為等、児童虐待以外のこれらに準ずる行為ということにつきましても同様の支援措置を講じることとしておりまして、事案によりましては加害者が特定をされていない場合も含まれ得るものと考えております。
○真山勇一君 例えばストーカー、この欄でいえばストーカー行為等の規制等に関するというここにチェックが入っていれば、加害者がなくても申請者はストーカーに悩んでいるんだということが分かるんでしょうけど。どうやら窓口では、加害者の名前がない、そして一番右側の生命の危険があるんだということでこれを申請してくるということが多くて、見方によってはちょっとこれ濫用されるのではないかというようなこともあって、つまり、そういうことでここの部分での住所非開示を求める申請が増えているのではないかというようなことも言われているんですが、その辺りはどうでしょうか。
○政府参考人(佐々木敦朗君) DV支援措置につきましては、先ほど申し上げましたようなDV等の加害者が被害者の住所を探索することを防止して被害者の保護を図るということを目的とするものでございますので、その趣旨に従って適正に運用していただきたいというふうに考えておるところでございます。
○真山勇一君 前回も中でありましたけれども、自治体の窓口としては、この一番下のところの相談機関の意見があればほとんど自動的に住所非開示にしてしまうということがありますので、犯罪防止の上からは必要なことですけれども、やはりその辺の曖昧さというのは難しさを現場としては感じているというようなことを指摘させていただきたいというふうに思うんです。
 それからあと、前回のときに伺って、これまでと住所非開示に対する不服申立て、このシステムが変わるということで、去年の六月十三日に行政不服審査法が改正されて、そして新しいシステムになりますということを伺ったんですが、去年の六月十三日、そして二年以内にということなんですが、もう既にちょうど一年ぐらいになりますね。
 これ、いろいろ準備されていると思うんですが、いつ頃ぐらいをめどに施行されるようなことに今の時点ではなるんでしょうか。
○政府参考人(佐々木敦朗君) 恐縮でございますが、法律では二年以内ということでございますので、その範囲内でしかるべく担当部署の方で施行に向けての準備がされているというふうに伺っておるところでございます。
○真山勇一君 地元でもそれを伺ったら、総務省の方からはもうそういう連絡を受けておりまして、現場の自治体の方でもそういう体制づくりに取り組んでいかなければならないだろうというようなことを伺いました。
 ただ、新しい今度システムでは、またこれはこれで改善されたのかなというふうに私も考えていたんですけれども、DVの問題を扱うというのはやはりかなり難しさというものをまたちょっと感じておりますので、これ機会を見て、細かい話になりますので、また時間ありましたら伺いたいというふうに思います。
 今日はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

6年前