NHK:家族の関係どう築く “ステップファミリー”

http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2014/11/1120.html

2014年11月20日(木) NEW
家族の関係どう築く “ステップファミリー”

阿部
「最近増えている、新しい家族の形について見ていきます。」

今週末に公開予定のドキュメンタリー映画です。

主人公の1人、安田さんとその家族。
実は…。

“慶祐(けいすけ)さんと昊矢(そうや)君に、血のつながりはありません。”

子どもを連れて再婚し、血のつながらない親子関係が生じた家族、「ステップファミリー」と呼ばれています。
しかし、新たな親子関係に悩む人も少なくありません。

安田慶祐さん
“自分の息子なんだからって言われてピンとこないんですよね、いつも。”

NHKが行ったアンケートでも、深刻な悩みを抱えるステップファミリーの姿が明らかになりました。

“子どもが心を開いてくれるまで大変だった。”

“関係の悪化をおそれ、ひたすら我慢していた。”

“毎日が苦痛。”

再婚家庭が増加する中、家族の関係をどう築いていくのか。
ステップファミリーが抱える課題に迫ります。

阿部
「まず、こちらをご覧いただきましょう。
こちら、結婚の数に占める再婚の割合を示したグラフです。
年々増加していて、今では4組に1組が再婚です。
これに伴って増えていると指摘されているのが、『ステップファミリー』です。」

鈴木
「その実情はあまり知られていませんが、NHKがステップファミリーの親と子114人を対象に行ったアンケートでは、実に2人に1人が、新たな親子の関係に悩んでいることがわかりました。」
家族の関係どう築く “ステップファミリー”

関西地方に住む会社員の、森田幸浩(もりた・ゆきひろ)さんです。
13年間、再婚した妻の娘との関係に悩み続けています。
再婚した直後から、娘に頼られる存在になりたいと考えていました。

森田幸浩さん
「この子のために父親になってやろう。
親として、この子が成人して親元を離れていくまで、しっかり育てたい。」

森田さんは5人家族。
妻と前の夫との間に生まれた娘に加え、森田さん夫婦にも子どもが生まれました。
実の子と同じように接してきたという森田さん。
しかし、妻の娘に対しては次第に厳しくしつけを行うようになったといいます。

森田さんが子どもとの関係について記したメモです。

“朝食を片づけずイライラした。”

“無視されてむなしい。”

ささいな生活習慣の違いが気になり、いらだちが募っていきました。
時折、どなるようになった森田さん。
娘は心を閉ざし、口をきくこともほとんどなくなったといいます。
娘との関係を改善するため、森田さんは子育ての悩みに応じるグループに相談しました。

森田幸浩さん
「子どもの親にいきなりなるんです。
『ねばならない』『べきだ』ということが強いから、この子どもをいかにしつけるか、ちゃんとしないといけない。」

親にならなければという強い気持ちが、娘との関係を悪化させていたことに気付いたといいます。
森田さんは、娘の声に耳を傾けながら新たな関係を築いていきたいと考えています。

ステップファミリーの当事者が立ち上げた団体です。
多くの人が親子の関係に悩んでいることを知ってもらい、支援につなげようと講演会を企画しました。

ステップファミリー支援団体 代表 緒倉珠巳さん
「再婚した家族をどうサポートするかという制度と体制がないので、今の時代は必要。」

この日、招いたのは、ステップファミリーのいわば「先進国」のアメリカの研究者です。
実の親でない人がしつけに関わりすぎると子どもとの関係がこじれやすいことや、子どもは急激な家族の変化に対応できず、戸惑っていることを指摘。
ステップファミリーの特性を理解したうえで支援をする必要があると訴えました。

ステップファミリーの夫婦です。
あえて親子になろうとしないことで、子どもとの関係を築こうとしています。
東海地方に住むこの女性は5年前、娘を連れた夫と結婚しました。
当時娘は、実の母親と死別したショックに加えて、女性との関係に悩み、部屋にこもりがちになっていました。


「本当のお母さんがいたから、お母さんとも思いたくない。」

ふさぎ込む娘と、どう向き合ったらいいのか。
女性は1人で悩んでいたといいます。

女性
「誰にも相談できないし、主人に言ったら自分の家族のことを悪く言われていると、 結局けんかになって終わり。
何もいい解決にならなかった。
孤立しちゃった。」

夫は、女性と娘が悩んでいることにまったく気付かなかったと言います。


「僕自身はすごく軽く考えていた、何とかなるだろうと。
赤面の至り、悪いことをした。」

夫はまず、夫婦の関係を見直すことにしました。
休日は2人でゆっくりと話ができる時間を作り、娘に対する悩みを本音で話しあうことにしました。


「僕は感謝してる、いろいろやってもらったこと。」

女性
「継母だとつらい、次第に、次第に。」

そして出した結論は、「無理をして親になろうとしないこと」。
女性は犬好きという共通点から、娘との会話の糸口を探りました。
犬を通じてコミュニケーションをはかる一方で、娘の生活には踏み込まないようにしたのです。
ほどよい距離感を保つことで、娘にとって女性は母親とは違うものの、信頼できる存在になりつつあると言います。


「さっちゃん(継母)に対しては素直になれた。
正直うっとうしいと思うときもある、自分を思ってやってくれている、感謝。」

ステップファミリーになって5年。
新たな家族の形を築き始めています。

女性
「母みたいな存在、厳しく、優しく、そういう存在でないといけない。
距離を置いたところからだいぶ変わったと思う。
私たちなりのステップファミリーの形をつくっていければ良い。」

鈴木
「そもそも再婚であることを周囲に知られたくないという家族も少なくないのが現状で、問題を抱え込みやすいと支援団体は指摘しています。」

阿部
「再婚家庭が4組に1組に上る中、ステップファミリーの問題はひとごとではありません。
家族の形が多様化している現実を、私たちも受け止めて理解する必要がありそうです。」

5年前