2008年11月27日しんぶん「赤旗」
まど「子どもに会いたい」
日本弁護士連合会が東京都内で開いたシンポジウム
「離婚と子ども-子どもの最善の利益を考える」
離婚や別居後に、子どもを引き取った側の親の拒否で、
会えずにいる親子の問題を話し合いました。
○…子との面会交流を求めて裁判所に申し立てる紛争は、
一九九九年の約二千件から、昨年は五千六百件と、八年間で三倍に激増。
そうした紛争の体験を報告した木下健一さん=仮名=は離婚から十六年、実の子に会えずにいます。
「長女は拒食症になっています。怖い病気です。」と、
人づてに知った子の近況にふれたとき、ふいに表情をゆがめ、涙で絶句しました。
○…日本も批准した子どもの権利条約は、父や母と切り離されている子どもが
「定期的に父母のいずれとも人的な関係および直接の接触を維持する権利を尊重する」とうたいます。
世界では離婚後の親子交流が権利として定着しつつあります。
離婚は「縁切り」だった時代の考え方が残る日本では、
離婚後の親権は父母のいずれか一方に帰属します。
引き取った親の新しい家庭になじむことが「子の福祉」にかなうとして、
司法も子との面会交流を認めようとしない現状があります。
血のつながる親の実際の姿を知ることができないで「福祉」といえるのかと、議論を呼んでいます。
○…絶句した木下さんに、会場からは「しっかり」と声がとび、
手を合わせてもらい泣きする女性もいました。
毎年二十五万人の子が親の離婚に直面する時代の大きな課題です。(竹)
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