2008年12月03日毎日新聞地方版
人ふでがき
「白馬村教委職員、『親子ネットNAGANO』代表・堤則昭さん /長野 ◇子供の福祉考える--堤則昭さん(43)」
白馬村役場の教育委員会に勤務する傍ら、
離婚によって両方の親に会えなくなってしまった子供の福祉を考える「親子ネットNAGANO」代表を務める。
7月に設立した県内初の団体で、離婚した夫婦をカウンセリングし、
子供が両親に会えるような環境づくりに取り組む。
「離婚後、両親に会えている子供は少なく、
脱毛や多動症など精神的な異常が表れやすく
成長に悪影響をもたらす。別れても子育ては、両親で協力すべきだ」
自身も07年8月に離婚を経験。親権を持つ別れた妻の元で子供2人は暮らしており、会えていない。
日本の民法では離婚後の親権は、両親のどちらかだけに認める「単独親権制度」となっている。
離婚調停や裁判になった際、親権者として、どちらがふさわしいかの判断では、
その時点で一緒に暮らしていた方となっている。
「離婚の日まで一緒に暮らしていれば経済力などが判断材料になるが、別居の末に離婚というケースが多い」
と指摘し「親権が欲しいあまり、子供を連れ去ってかくまうといった事例も報告されている」と語った。
親権者の意向次第で、子供をもう一方の親に会わせないことができるという。
「親の都合で離婚することは仕方ないが、子供には関係ない。
大好きな親から引き離される子供の不幸を考えてほしい」
自分自身の子供も、父親に会えない苦痛から精神的な脱毛症になってしまっているという。
「欧米のような『共同親権制度』など、日本国内でも民法改正を求めて各種団体が動き始めている。
自分たちも白馬村議会や周辺自治体への請願活動などを始めた」と先を見据える。
【渡辺諒】
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