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沖縄に紛争仲裁機関 ハーグ条約、国際婚の子めぐり
琉球新報 3月30日(日)9時45分配信
日本は4月1日から、国際結婚が破綻した夫婦間で子どもの奪い合いが起きた際のルールなどを定めたハーグ条約に加盟する。沖縄弁護士会は外務省から事業委託を受け、ハーグ条約に関連した問題を、話し合いなど裁判以外の方法で解決する手続き(ADR)の業務を1日から行うことが29日分かった。沖縄以外の委託先は東京の3弁護士会と総合紛争解決センター(大阪)。
ADRは当事者からの申し立てを受けて弁護士をあっせんする。弁護士は中立の立場で双方の話を聞き、面会交流の条件などについて定めた合意案を考える。双方が合意しなければ、裁判所での審判、調停手続きとなる。沖縄弁護士会のハーグ条約に関するワーキンググループ(作業部会、WG)の座長を務める武田昌則弁護士は「国外での面会条件をどうするかなど、裁判所では柔軟に対応しづらい部分を話し合うことができる」と意義を語った。
外務省ハーグ条約室によると、ADRを利用する際のあっせん報酬や翻訳、通訳などの費用について約80万円までを外務省が負担するという。ハーグ国際私法会議事務局がまとめた統計によると、2008年に条約加盟国間で申し立てられた子どもの返還申請1903件のうち、話し合いなどを通じた任意の返還は366件で19%、裁判所の司法判断による返還命令は508件で27%だった。
米軍基地を抱え、米国人と国際結婚するケースが多い沖縄では、条約の対象になるような子どもをめぐるトラブルが見込まれるため、ADRの必要性が指摘されていた。(沖田有吾)
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