外務省:面会交流調停(審判)の申立てを希望される方へ

http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000873.html

面会交流調停(審判)の申立てを希望される方へ

平成26年1月24日

1 子との面会交流調停(審判)の申立てとは?

 我が国の法律によれば,別居中又は離婚後,子を監護していない親は子を監護している親に対して子との面会交流を求めて調停(審判)を申し立てることができるほか,一度決まった面会交流であっても,その後に事情の変更があった場合(子の年齢,状況等に相当変化があった場合など)には,面会交流の内容,方法等の変更を求める調停(審判)を申し立てることができます。原則として,調停であれば相手方の住所地を管轄する家庭裁判所,審判であれば子の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申立てを行うことになります。  ただし,ハーグ条約実施法(正式名称:国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約に関する法律)においては面会交流調停(審判)の管轄につき特則を設けており,以下の場合においては,ハーグ条約締約国を元の居住国としていた16歳未満の子との面会交流に関する調停(審判)手続を東京家庭裁判所又は大阪家庭裁判所においても行うことができるとされています。

  • 申立人が日本の中央当局からハーグ条約実施法による外国返還援助決定若しくは日本国面会交流援助決定を受けている場合
  • 申立人が子の返還の申立てをした場合

【家事事件手続法により,面会交流調停(審判)を行える場合】

  • (1)調停:相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てができます。
  • (2)審判:子の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てができます。

【ハーグ条約実施法により東京家庭裁判所でも面会交流調停(審判)を行える場合】

  • (1) 子の住所地(日本国内に子の住所がないとき,又は住所が知れないときは,その居住地。)が次にあるとき
    • 札幌高等裁判所の管轄区域内・・北海道
    • 仙台高等裁判所の管轄区域内・・宮城県,青森県,秋田県,岩手県,山形県,福島県
    • 東京高等裁判所の管轄区域内・・東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県,群馬県,茨城県,栃木県,山梨県,新潟県,長野県,静岡県
    • 名古屋高等裁判所の管轄区域内・・愛知県,岐阜県,三重県,富山県,石川県,福井県
  • (2) 日本国内に子の住所がない場合又は住所が知れない場合であって,日本国内に子の居所がないとき又は居所が知れないとき

【ハーグ条約実施法により大阪家庭裁判所でも面会交流調停(審判)を行える場合】

子の住所地(日本国内に子の住所がないとき,又は住所が知れないときは,その居住地。)が次にあるとき

  • 大阪高等裁判所の管轄区域内・・大阪府,京都府,兵庫県,奈良県,滋賀県,和歌山県
  • 広島高等裁判所の管轄区域内・・広島県,岡山県,山口県,鳥取県,島根県
  • 高松高等裁判所の管轄区域内・・香川県,愛媛県,徳島県,高知県
  • 福岡高等裁判所の管轄区域内・・福岡県,佐賀県,大分県,長崎県,宮崎県,熊本県,鹿児島県,沖縄県

  • 地図

 なお,面会交流調停(審判)手続は,必ず弁護士を選任しなければならないものではありませんが,この手続では,面会交流について取り決めるに当たってどの国の法律を適用するのか,その法律によれば,申立人が子と面会交流をすることができる資格を有するかどうか,面会交流等に関する取決めが常居所地国においても効力を有するのかという点について検討するため,日本や子の元の居住国等の法律の知識が必要となってくることがあります。そのため,一度,法律専門家に相談をされることをお薦めします。

2 調停手続について

 調停手続とは,調停委員会によって当事者間の意見の調整と合意の形成を行うものです。調停委員会は,当事者双方に事情を尋ねたり,意見を聴いたりして,双方が納得の上で問題を解決できるように,中立・公正な立場から,助言やあっせんをします。調停委員会は,通常,裁判官1名と民間の良識ある人から選ばれた調停委員2名以上で構成されます。調停手続では,当事者の出頭が原則として必要となります。  調停手続の流れは下図のとおりです。申立人待合室,相手方待合室でそれぞれお待ちいただいた上,交互又は同時に調停室に入っていただきます。調停委員会が中立の立場で,双方のお話をお聞きしながら話合いを進めていきます。調停手続は非公開の手続です。

  • 調停手続

 (注)裁判所調査官による調査が行われることもあります。

子との面会交流の在り方をどうするかということは,本来は当事者相互の話合いによって合意の上で決めることが望ましいといえます。そのため,当初から面会交流の審判が申し立てられた場合であっても裁判官の判断により調停手続に付されることがあります。

3 子の元の居住国の法律の調査について

 調停手続での面会交流等の取決めが子の元の居住国においても効力を有するかどうかは,子の元の居住国における法律の解釈によります。そのため,調停手続では,裁判所が当事者双方に,子の元の居住国における法律の調査を依頼することがあります。

10年前