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「家事調停」が長期化 家族観変わり合意に時間
2013/12/28 0:41 記事保存
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離婚や相続など家族間の紛争について裁判所で話し合う「家事調停」が長期化し、東京家裁で調停室が不足する事態となっている。家族観の変化を背景に、合意に時間がかかる複雑な事案が増えていることが要因とみられ、年内に解決できずに翌年に持ち越す「未済件数」は5年で1.4倍に増えた。同家裁は裁判官の増員や調停室の増設などで対応している。
今月2日、東京高裁が管理する東京・霞が関の庁舎3階に「家裁第19~21調停室」と貼り紙をした即席の立て看板がかかった。以前は地裁の調停室だったが、家裁が5部屋を間借りし、3部屋を調停室、2部屋を待合室として使っている。
家事調停は家庭内の争いを裁判所の仲介で解決する非公開の手続きで、遺産分割や離婚、子供との面会交流などが対象。双方が合意時に取り交わす調停調書は確定判決と同じ効力を持ち、相手が従わなければ強制執行もできる。
東京家裁によると、家事調停の申立件数は9421件だった2007年以降、少しずつ増える傾向にあり、昨年は1万791件(07年比で15%増)だった。一方、12月末時点で比べた係属中の調停件数は07年が3952件、昨年は5475件(同39%増)と、申し立てを上回るペースで増えており、調停1件当たりの期間が長期化していることがうかがえる。
全国的に子供との面会交流を求める申し立ては増えており、東京では顕著だ。家事事件に詳しい裁判官は「両親が離婚した場合、昔は母が子供を育て、父は子供と縁を切るケースが多かったが、現在は離婚後も子供に会いたいと願う父親が増えている」と指摘。「面会の条件を巡って話し合いが難航しやすく、長期化につながっているのではないか」と分析する。
こうした状況を受け、東京家裁は態勢を強化。今年1年間で調停室を66室から80室に増設したほか、担当の裁判官や書記官も増員した。家裁総務課は「双方が納得するためにある程度の期間は必要だが、部屋が空いていないなどの理由で調停が長引くことがないよう、しっかり対応したい」と話している。