児童 火付けられ重体 文京の小学校 父親死亡、心中図る?
小学校に侵入した男が児童に火を付けた校舎脇の現場=23日、東京都文京区で(小平哲章撮影) |
二十三日午前十時半ごろ、東京都文京区千駄木二の区立汐見小学校で、校庭に文京区の会社員の男(49)が侵入、少年野球の親睦試合をしていた同校三年の次男(9つ)を連れ出した。男は灯油のような液体をかぶり、次男にもかけて火を付けた。二人は病院に運ばれ、男は全身やけどで死亡、次男は意識不明の重体。
警視庁駒込署などによると男は、妻と次男と別居しており、離婚調停中だった。署は、男が無理心中を図ったとみて、詳しい状況を調べている。校庭では当時、少年野球チームの親睦試合があり、次男を含む児童と保護者が参加。次男の母親は来ていなかった。
男は次男の手を引いて校庭脇に連れ出し、自分と次男に灯油のような液体をかけたという。現場から男が液体を入れたとみられる金属製の缶やライターが見つかった。
上野署によると、台東区の実家に身を寄せていた男の妻は昨年五月、「別居中の夫が子どもを連れ戻しに来た。抵抗すると蹴られた」と相談。署は保護対象とし、通学時間帯や夜間のパトロールを強化、妻とは定期的に連絡を取ったという。捜査関係者によると、妻は当時、別居の理由を「夫の家庭内暴力のため」と説明したという。
その後トラブルはなく、昨年十二月には妻や親族の了解を得て保護を打ち切った。上野署は「精いっぱいの対応はした」としている。
現場の小学校は、JR日暮里駅から西に約一キロの住宅街。近くには東京大もある。
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