2013年5月23日 ようやく陽の目を見る事に
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朝宣(写真)。汗ばむ陽気となってきました。
昨日「ハーグ条約」が参院本会議で国会承認されました。ハーグ条約は私が法務大臣政務官時代、成立に向け全力で取り組んだ重要課題です。ハーグ条 約は簡潔に申せば国際結婚が破たんした場合、夫婦間で国境を越えた子の連れ去りを不法とする国際ルールを定めたもの。これだけ記せば「なんだ当然じゃない か」と思う方も多いでしょうが夫のDV(家庭内暴力)などでやむにやまれず外国から日本に子供を連れて逃げてきた妻も多数いることからそういったケースで 「母子」をいかに保護できるかが大きな問題となっていました。
条約締結に向け大きなハードルは外務省と法務省の調整です。これも簡略化して申せば外務省は欧米諸国との外交の観点から推進派。法務省は母子の人 権保護の観点から慎重派と言えます。これは本質論でありますが、さらに矮小化した問題は条約を締結すると国内に設けられる「中央当局」という組織を外務省 も法務省も引き受けたくない点。仕事は増えるは人を出さなければいけないは予算が係るは、役所にとっては大きな問題なんですね。私としては中央当局を法務 省が引き受けても、母子の人権保護規定(※子の返還拒否事由の明確化)は譲れない一線でした。
そしてこの調整は役所任せでは不可能。なぜなら両省の間にはこれまでの経緯で抜き差しならない感情的なもつれが生じていました。よって、私と外務 省の山花政務官の間で緊密に連携を取り、二人の責任において覚書を交わし、締結に向けた道筋をつけたのです。その内容は中央当局は外務省、子の返還拒否事 由の明確化(夫のDVなどがあれば返還を拒否できるというもの)を盛り込んだものとなりました。昨今のメディアの論調でも日本だけかなり広範な返還拒否事 由を認めたと報じられています。すなわち、それほど踏み込んだ内容を私は粘り強く法案のたたき台に埋め込んだのです。
水面下の努力がようやく陽の目を見ることとなりました。このように脈々と現政権に受け継がれている民主党政権下の取り組みがある事をご理解下さい。