毎日新聞:ハーグ条約:年度内にも加盟…手続き法案、衆院通過

ハーグ条約:年度内にも加盟…手続き法案、衆院通過

http://mainichi.jp/select/news/20130510k0000m010075000c.html

毎日新聞 2013年05月09日 21時42分

 国際結婚が破綻した夫婦間の子の扱いを定めた「ハーグ条約」に加盟するための国内手続き法案が9日、衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された。今国会で成立する見通し。条約への加盟承認案も4月23日に衆院を通過しており、近く承認される。早ければ今年度内に条約加盟が実現する。

ハーグ条約は片方の親が16歳未満の子を国外に連れ去った場合、子をいったん元の国に戻し、両親が子の養育にどう関わっていくかを決める国際ルール。国内手続き法案は、日本人の親が子を日本に連れ帰った際に、外国に残された親が子を元の国に戻すよう求められる手続きを定めた。

一方、日本に住んでいた外国人が母国(条約加盟国)に子を連れ帰った場合は、残された日本人の親が日本の外務省を通じるなどして外国に子の返還を求められるようになる。

衆院法務委員会は(1)法施行から3年をめどに見直しが必要か検討する(2)法の運用状況などを国会に毎年報告し公表する−−の2点を政府に求める付帯決議をしている。

3月現在、ハーグ条約には89カ国が加盟しているが、主要8カ国(G8)では日本だけが未加盟だった。【伊藤一郎】

 ◇ハーグ条約国内手続き法案の骨子◇

・片方の親に子を不法に日本に連れ去られた外国(条約加盟国)の親は、日本の外務省を通じて子の返還を求められる

・日本の親が自主的に子を元の国に戻さない場合、外国の親は日本で返還を求める裁判を起こせる

・1審は東京と大阪の2家裁で非公開で行われ、3審制

・子を元の国に戻すと、子や日本の親が外国の親から暴力を振るわれる恐れがある場合などは、裁判所が返還を拒否できる

12年前