kネット・メールニュースNo.109「連れ去られる母たち/絆育てる父たち」

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□■   kネット・メールニュース  No.109
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★選ばなくっていい パパの家 ママの家

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このメールニュースは、主に共同親権運動、親子引き離し問題
についての情報を発信するものです。 2013年3月30日
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【家庭裁判所に法の支配を/日弁連に人権の確立を】

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■今号のトピックス
1 連れ去られる母たち/絆育てる父たち
2 どこまで続く? ハーグ条約の議論
3 イベント

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┣☆┫1 連れ去られる母たち/絆育てる父たち
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(1)連れ去られる母たち

雑誌「プレジデント」で、
女性が片親疎外の被害者になる事例について
弁護士の小嶋さんが解説しています。
これまで、妻が仕事に行っているときや里帰りしているときに
夫に子どもを連れ去られるケースがありましたが、
手口が巧妙化しているようです。
お気をつけ下さい。

現行の親権制度を維持することによって、
女性も片親疎外という虐待の被害者になる
機会もまた増えるという方向へと現実は進んでいます。
天災じゃなくて人災です。

■PRESIDENT 2013年2月4日号
「親権争い -妻たちよ、急に優しくなった夫に要注意」

http://president.jp/articles/-/8836?page=2

答えていただいた人 弁護士 小嶋 勇
文=ジャーナリスト 村上 敬

「育児ストレスでゆとりがなくなり、夫とも離婚寸前。
そんなときに夫から『疲れているようだから病院で診てもらってきたら』と
提案されたら、警戒が必要だ。
離婚で親権を得るための策略という可能性もある。

離婚問題を数多く手がけてきた小嶋勇弁護士は、
『夫が急に優しくなって、
妻に精神科の診察をすすめたら注意したほうがいいかもしれない』と話す。
背景にあるのは親権の問題だ。

『親権を争う調停や審判は、子どもを手元に置く親が圧倒的に有利。
その状況をつくるために、妻に精神科への診察をすすめ、
うつ病の診断が出たら「実家で休んでこい。子どもの面倒は俺が見るから」と提案。
そのまま調停や審判を申し立てるケースがあるのです』

妻がうつ病との診断書は、親権が欲しい夫に有利に働く。
ひどい話だが、夫側を一方的に責めるのはフェアでないかもしれない。
これまで親権問題で立場が弱かった夫側の苦肉の策という見方もできるからだ。

(略)

じつは12年の法改正で、面会交流については進歩があった。
協議離婚するときは、子どもの利益を最優先に考えて、
面会交流についても協議をすることが定められたのだ(民法第766条)。
ただ、前途は険しい。

『法改正を受けて、裁判所が月2回の面会交流を認めるケースも表れ始めました。
しかし実際は二極化していて、4カ月に1回、半年に1回という審判も珍しくない。
なかには『面会は不可。年2回のビデオレターのみ』という審判のケースもあります』
(小嶋弁護士)

こうした現状が放置されているかぎり、
DV法や、うつ病診断の悪用はなくならないだろう。早急な改善が望まれる。」

(2)絆育てる父たち

毎日新聞では、面会交流を続ける父親のケースを紹介しています。

■毎日新聞2013年03月27日東京朝刊
「親子の絆:育てる父たち 離婚、別れて暮らしても--」

http://mainichi.jp/feature/news/20130327ddm013100019000c2.html

(3)共同親権だと意見の不一致で困るのか?

椎名毅議員の質問に回答する谷垣法務大臣などのように、
離婚後に共同親権にすると、元夫婦の間で意見が一致しなくて困る
のではという意見をこれまで何回も聞いてきました。
(単独親権で会わせなければ子どもは親を失いますが、
たしかに意見は一致させる必要はありません)
その点について、解説した記事です。

■堀尾の保健学ブログ2013年3月25日
「今週の保健学」

http://blogs.yahoo.co.jp/horio_blog/MYBLOG/yblog.html

「親権の内容は、子どもの学校を決めたり、子どもの宗教を決めたり、
子どもの病院を決めたりすることです。
子どもに会えていない親は、子どもに会うためなら全部譲るはずです。
親権の内容は、子どもの居所以外は、全部譲ることができるものです。
例えば、子どもが行く大学は、子ども自身が決めるでしょ う。

だから、共同親権においては、子どもの時間配分だけが対立点です。
法的共同親権はあまり重要ではなく、身体的共同親権だけが重要です。

また、欧米では、現実には、意見の対立で困っていません。
現実はむしろ逆です。
子どもを奪い合わなくて良くなるので、協力関係が促進されます。
子どもを奪 われる心配が無いので、
子どもの将来を改善させることだけを考えれば良いのです。
それで、子どもの予後が改善されます。
だからこそ、欧米先進国では、共同親権制度を採用して、
それを維持しているのです。(略)

ただし、全体の10%から15%は、対立が深刻で、
共同親権や共同養育には適さない夫婦もあるそうです。
アメリカでは、離婚に際して、詳細な養育計画書を提出して、
裁判所の了解を得ることが必要ですが、約半数の夫婦は、
夫婦だけで合意に達して、養育計画書を提出します。
また、調停人や弁護士の意見を聞いて合意に達する人もあります。
合意できずに裁判所が決めるのは、5%に満たない人々です。
(米国弁護士会、 Guide to Family Law、1996年)」

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┣☆┫2 どこまで続く? ハーグ条約の議論
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ハーグ条約について国内でかみ合わない議論が続く中、
(DVや面会交流という本来別個の問題について
天秤にかけて言い合った上で、
実際の予想される効果についての裏付けがないからですが。
……要するに「言いっぱなし」)
西日本新聞は、政府の提示したデータを上げて議論の糸口を提示しています。

(1)西日本新聞ワードBOX2013年3月24日

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/4350/9523

「外務省によると、2008年のハーグ条約に基づく
子どもの返還申請は約2千件に上る。
うち56%は当事者間の協議を通じた「任意の返還」や
「申請取り下げ」などで解決しており、
司法判断に至ったのは半数以下の44%。
さらに司法判断の3分の1(全体の15%)は返還拒否が認められた。

裁判所が連れ去り行為を不法と認定しながら、
返還拒否を認めたケースには
「元の居住国で窃盗容疑の逮捕状が出ている母は帰国できないが、
子の面倒をずっとみており、引き離すと子を耐え難い状況に置く」(カナダ)、
「1歳児には母が必要」(米国)、
「8歳と6歳の子ども本人が返還拒否の意思を示し、
3歳の子も兄弟から引き離せば精神的に悪影響」(英国)などがあった。(略)

*   *

(略)外務省によると、外国政府から提起されている日本への連れ去りは
昨年9月までに米国81件、英国とカナダ各39件、フランス33件に上る。
厚生労働省によると、外国人との国際結婚は1990年代から急増、
06年の4万4701件をピークに減少に転じているが、
その離婚は11年に1万7832件を数えた。

(2)韓国で海外への連れ去りに対処する刑事裁判公開

■産経2013.3.22
「韓国で裁判を生中継 最高裁で初の試み」

法廷公開の動きがお隣韓国では進んでいるようです。
同時に国際離婚時の連れ去り問題は、
韓国でも関心の高い話題のようです。
ハーグ条約に加盟すると、
当たり前ですが海外への連れ去りも問題になります。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130322/kor13032208410000-n1.htm

「韓国最高裁は21日、裁判官13人全員が
出席する大法廷での刑事裁判をテレビやインターネットで生中継した。
韓国で法廷の様子が画面で外部に伝え られたのは初めて。(略)

21日の審理は、韓国人の夫との間に生まれた子どもを夫に無断で祖国に連れ出し
「国外移送略取罪」に問われたベトナム人女性(26)の上告審。

韓国では農村部を中心に国際結婚が増え、昨年は全体の9%を占めた。
国際結婚が破綻した場合の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」加入に伴い、
改正された国内法が今月1日から施行され、
国際結婚に絡む司法判断への関心は高い。

裁判長席の梁承泰大法院長は
『この事件は社会が共に悩み、
解決しなければならない重大な問題を含んでおり、
中継する必要性が非常に高い』と話した。」

(3)伊藤和子弁護士のご意見

ヤフーニュースで、弁護士の伊藤和子さんが
ハーグ条約について解説してくださっております。

■ヤフーニュース2013年3月24日
「国際的な子の奪取に関するハーグ条約」批准がはらむ問題点」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130324-00024025/

細かいことで申しわけありません。
ハーグ条約の返還原則について、伊藤さんは

「これが果たして国際的なコンセンサスといえるのか。
条約加盟国は欧米中心に80数か国、原則返還は国際的なコンセンサスとはいえない。」

とおっしゃっております。
80数カ国の加盟国というのは多国間条約としてはかなり成功という
イメージを持たないでもないのですが(何しろ、世界の国の半分近くですから)、

国際法学者の横山潤さんは、2000年時の論文で
「本条約は、締約国の数の上で、家族に関するハーグ条約の中で
最も成功した条約と言える」と述べていました。
(ちなみに加盟国数は89カ国に増えています)

http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/10014/1/HNhogaku0003400030.pdf

「偉い学者さん」が言っているからとか、
半分だからどうという気はありませんが、
「条約よくない」という結論が先にある議論を
わざわざ1年も経ってから、焼き直して
あらためてニュースにする必要あったんでしょうか。
(というかNHKこのことについてどう思ってたんでしょうか)

ところで
ぼくはこの条約について、
たとえ国際離婚であっても、両方の親とのコンタクトを
維持したほうが子どもにとっていい、
という考えが条約の背景にあるからこそ、
国際的な子の奪取の防止が目的とされ、
返還規定や面会交流の規定が条文にあると理解しています。

だから、
「実際には、子どもの福祉よりも連れ去られた親の監護権を優先して、
原則返還するというのが、条約の基本理念だといえよう。」

という伊藤さんの条約解釈は、
ぼくとは違うのでそもそもかみ合いませんし、
あんまりかみ合わせようとも思いませんが、
(そもそも連れ去りをしなければどちらに監護権が行くかは
わからないし、共同親権になることもあるから)
ぼくが子どもで親が国際結婚していて別れたとしても、
ぼくは両方の親といつでも会いたいですね。

ぼくはこの条約は国際的な人権保障のための枠組みだと思います。
なぜなら、
子どもに両親がいた場合、
双方の親から愛情を受けられる環境を持つのは人権だと思うからです。

たとえば、
「子どもの権利や子どもの最善の利益がどこにあるかはケースバスケースであり、
個々の実情に応じて、また子どもの意思を尊重して決められるべきであり、
子どもをもといた国に返還するのが当然に子の利益だ、
と決めつける理屈はおかしい。」

という伊藤さんの言葉を

「女性の権利や女性の最善の利益がどこにあるかはケースバスケースであり、
個々の実情に応じて、また女性の意思を尊重して決められるべきであり、
女性をDV被害から守ることは当然に女性の利益だ、
と決めつけるのはおかしい」

と言い換えてみましょう。
原則もないのに、ケースバイケースなんて言えますかねえ。

今のままの日本の親権制度や
同じくDV施策でよいというなら、
アメリカのDV施策をこれ以上真似ることもありませんし、
単独親権制度でパカパカ親子を引き離せばよいのです。
(そのことで紛争をかえって招けば暴力の被害も発生するでしょうが)

結論先にありきなので
細かい点はこれ以上触れませんが、
一言で言えば、こういった議論は「問題の先送り」です。

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┣☆┫3 イベント
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■白馬村住民登録拒否裁判

次回の日程は以下です。
ぜひぜひ傍聴を!

「子ども手当及び住民登録」訴訟の弁論は
日時 4月12日(金)14:30~
場所 長野地方裁判所松本支部3階第2法定

■日本家族再生センター4月のグループワーク
http://kazokusaisei.jimdo.com/
日時 4月13日
午前10時~12時 女性ワーク
午後1時~午後3時 男性ワーク
場所 銀座セミナールーム http://bit.ly/fwr1Zh
料金 各2000円

■日弁連シンポジウム
「子の安心・安全から面会交流を考える-DV・虐待を中心に-」

*要申し込み
http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2013/130406.html

DV・虐待があっても、また、子がさまざまな事情から面会を拒否していても、
強硬に面会を勧める調停運営や面会を命じる審判例が目立つようになっています。
しかし、面会交流において最も大切なことは、
子の安心・安全を含む「子の利益」であり、
面会交流をすることが原則であるという画一的な考え方でよいのでしょうか。

本シンポジウムでは、非監護親と子の関わりについて、
今、調停・審判という司法の場で起こっている問題を分析し、
ケース・バイ・ケースで丁寧に検討する必要について考えます。

多くの皆様の御参加をお待ちしております。
日時     2013年4月6日(土) 13時30分~17時
場所     弁護士会館17階1701会議室( →会場地図)
(千代田区霞が関1-1-3 地下鉄「霞ヶ関駅」B1-b出入口直結)
内容(予定)     (1) 基調報告・講演
(2) パネルディスカッション
パネリスト
・ジョアン・S・マイヤー氏(ジョージワシントン大学教授)
・渡辺久子氏(慶應義塾大学医学部小児科専任講師)
・小川富之氏(近畿大学法学部教授)
・本田正男氏(弁護士・当連合会両性の平等に関する委員会特別委嘱委員)
参加費等      無料(事前申込制)

主催     日本弁護士連合会
問合せ先     日本弁護士連合会人権部人権第二課

TEL:03-3580-9510
FAX:03-3580-2896

■「なぜ日本では離婚すると子どもに会えなくなるのか
-法制度、家族の実情、そしてこれから-」
ミニコミ広場「市民活動おはなし箱」第51回
日時 2013年5月7日(火)11:00~12:30
(昼食はご持参またはご予約/下記)
お話 宗像  充さん(共同親権運動ネットワーク)
会場:ミニコミ広場(立川市幸町5-96-7「グリーンサンクチュアリ悠」敷地内)
申込み不要・参加費200円
連絡先  tel/fax:042-540-1663(アンティ多摩)
E-mail:auntytama@nifty.com
http://homepage2.nifty.com/auntytama/

【『子どもに会いたい親のためのハンドブック』好評発売中!】

http://www.shahyo.com/mokuroku/life/feminism/ISBN978-4-7845-1489-2.php

青木聡・未定・宗像充+共同親権運動ネットワーク・編著
(A5 判並製/ 224 頁/定価: 本体1,700 円+ 税)

夫とケンカした際家を追い出され、その後子どもと会わせてもらえなくなった。
子どもを連れて妻が実家に帰ったきり戻ってこず、子どもとも会わせてもらえない。
夫婦間の関係はどうあれ、
それを理由に親子関係を絶つ権限が子どもを見ている親にあるわけではありません。
離婚後も、双方の親が子どもの養育の責任を引き続き担っていくことをめざして、
共同養育を模索するための手引き。

ご購入はこちらから
http://www.amazon.co.jp/dp/4784514899
http://honto.jp/netstore/pd-book_25473415.html

【「共同養育・面会交流」リーフレット配布】

共同親権運動ネットワークでは、
共同養育、面会交流の普及促進のために啓発のためのリーフレットを作成しました。

http://kyodosinken.com/wp-content/uploads/2012/11/menkai_leaf_2012%20knet_0104.pdf
http://kyodosinken.com/wp-content/uploads/2012/11/menkai_leaf_2012%20knet_0203.pdf

ご活用いただくとともに、関係機関への配布を行っています。
配布にご協力いただけるかたは、共同親権運動ネットワークまでご連絡下さい。
こちらから必要な枚数(10枚から)をお送りいたします。
また、離婚時の取り決めだけでなく、調停や審判、裁判でもご活用ください。

お問い合わせは以下
TEL 03-6226-5419
FAX 03-6226-5424
Eメール info@kyodosinken.com(kネットリーフレット配布係)

【★現在の読者数 431人】
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【編集部より】
メールニュース読者からのイベントのお知らせ、その他投稿歓迎。
「イベントのお知らせ」に関しては、
タイトル及び内容を400字内で、
またその他投稿に関しても400字以内で
「メールニュース投稿」と件名に付して、以下までお送りください。
info@kyodosinken.com
なおお送りいただいた投稿は紙面の都合上
掲載できない場合があります。あらかじめご了承ください。

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kネットにお問い合せいただいた方、名刺交換をさせていただいた方、
kネットメンバーと交流をいただいている方、
kネットのセミナーに参加された方、
お世話になっている方にお送りしています。
送付が不要な方はお知らせください。

★編集部後記
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堀尾さんの解説はこういうふうに結ばれてた。

「弁護士は、人々の間に争いが増えると裁判になって収入が増えます。
共同親権にすれば争いが増えるのなら、
それで弁護士の収入は増えるはずです。
弁護士の業界は、外国の状況を調べて報告するなど、
全力でロビー活動をして、共同親権を実現しようとするでしょう。
実態は、逆です。
あまり熱心ではありません。
弁護士会が、夫婦がうまくやっていくための活動を
熱心にはしていないのと同様です。」

え~、それってやっぱホントなの?(宗像)

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12年前