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2013-02-11 ハーグ条約批准?

http://d.hatena.ne.jp/mensetu-net/

安倍首相が早期批准を表明した」とのニュースがありました。

元々首相は共同親権には反対だったと言われています。

やはりアメリカの経済制裁が、日本に対する圧力として機能したのでしょうか?
批准だけしても、さかのぼっての適用はされないのが普通なので

国内に連れてこられた子ども達と、海外の親との面会のシステムを整備し

司法関係者の再教育がなされなければ、また経済制裁の可能性が出てくるでしょう。
ところで、新聞やテレビではハーグ条約反対派の意見として

子どもに虐待の危険の危険があっても返さなくてはいけない」

子どもの意見が反映されない」

と言う意見があります。

実際の条文(http://www.hcch.net/index_en.php?act=conventions.pdf&cid=24)を見てみましょう。

Article13を抜粋します。
Article 13

Notwithstanding the provisions of the preceding Article, the judicial or administrative authority of the requested State is not bound to order the return of the child if the person, institution or other body which opposes its return establishes that –

a) the person, institution or other body having the care of the person of the child was not actually exercising the custody rights at the time of removal or retention, or had consented to or subsequently acquiesced in the removal or retention; or

b) there is a grave risk that his or her return would expose the child to physical or psychological harm or otherwise place the child in an intolerable situation.

The judicial or administrative authority may also refuse to order the return of the child if it finds that the child objects to being returned and has attained an age and degree of maturity at which it is appropriate to take account of its views.

In considering the circumstances referred to in this Article, the judicial and administrative authorities shall take into account the information relating to the social background of the child provided by the Central Authority or other competent authority of the child’s habitual residence.

かなりはしょった訳になりますが

まず最初の段落には、「以下の条件に当てはまる場合は、外務省や裁判所は子どもの返還に応じる義務は無い」旨が記載されています。

次にb)の項についてですが

「返還により子どもに身体または精神的に危害が及ぶリスクがある場合」

が条件としてあげられています。

さらには「子どもが返還を拒んでおり、子どもがその意思表示が可能な年齢であれば、返還要求を拒むことができる」

と言う記載もあります。
反対派の意見の根拠はどこにあるのでしょうか?

私自身も確かに、条約批准後の子どもの心身の危険の存在や子供の意志の反映には不安を覚えています。

なぜならば、国内に限っても現在の家庭裁判所の調査能力や運営には負の実績があるからです。

子供の意志を反映しない判決は、多々ありました。

さらにいい加減な調査に基づき親権を決定し、親権者育児を放棄したり虐待に至ったケースも多々あります。
つまり問題があるのはハーグ条約では無く、実際に運用を行う裁判所側にあるのが日本の現実です。

ですから「今の裁判所に運用を任せるのは不安だ」という反対意見ならともかく、「条文に不備がある」という意見には正直首を傾けざるを得ませんね。

12年前