産経新聞:永観堂、調停中の交流の場に 親子面会ゆったりと

永観堂、調停中の交流の場に 親子面会ゆったりと

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産経新聞 1月29日(火)14時55分配信

永観堂、調停中の交流の場に 親子面会ゆったりと

京都家裁と連携して「面会交流」の場となっている永観堂禅林寺の境内。親子がゆったりとした時間を過ごす =京都市左京区(写真:産経新聞)

■豊かな自然 京都家裁が協力依頼

京都でも有数の紅葉の名所として知られる永観堂禅林寺(京都市左京区)が、離婚などで離れて暮らす親子の「面会交流」の場を提供している。永観堂に協力を依頼した京都家裁も「庭園が美しく、豊かな自然に恵まれており、親子がゆったりと交流できる」と効果に期待を寄せる。

面会交流とは、子供が、離婚などで離れて暮らす親と定期的に会って交流することで、別れて暮らしていても、子供が双方の親から愛されているという安心感を得るための貴重な機会とされる。

昨年4月に施行された改正民法では、面会交流が、離婚時に協議すべき事項の一つとして明文化されるなど、社会的にも関心が高まっている。

一方、離婚をめぐって争っていた両親が、面会交流のために協力し合うのは難しい場合も多く、家裁の調停に持ち込まれるケースが年々増加。平成23年に京都家裁に申し立てられた面会交流の調停件数は約230件に上った。

こうした調停期間中、家裁の職員が立ち会った上で、試行的な面会交流が行われる場合がある。通常、面会交流は家裁内の一室で行われるが、京都家裁は親子のつながりを感じる大切な機会と永観堂に協力を依頼。

永観堂側もその意義に理解を示し、23年10月から境内を会場として提供、これまでに約10回実施された。

境内で待ち合わせて近くの動物園などに行ったり、僧侶に境内を案内してもらったりと過ごし方は親子さまざま。境内では、変わった形をした植物など永観堂にまつわる「七不思議」を探して楽しむ親子もいれば、持ってきたおもちゃで一緒に遊ぶ親子も。

「この前遠足に行ってきたよ」「学校でこんなことがあったよ」。親子で交わされるのは他愛もない会話だが、「子供が無邪気に喜んでいる姿が印象的」(永 観堂の華園源昭(はなぞのげんしょう)本山部長)。利用者からも「落ち着いた気持ちで面会できた」といった感想が寄せられ、好評だという。

永観堂は「面会前に不安そうな顔をしていた子供が笑顔で帰っていくとうれしい。日常から離れて親子で楽しい時間を過ごしてもらえれば」としている。

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