ハーグ条約、調停のあり方考えるシンポ
国際結婚の破綻で片方の親によって国外に連れ去られた子どもを元の国に戻すことなどを定めた国際条約「ハーグ条約」への加盟をめぐって、当事者同士の調停のあり方を考えるシンポジウムが開かれました。
「“調停”は両親が子どものためにどうするのがベストかを決める最後のチャンスなんです」(イギリス ハーグ条約調停専門家 サンドラ・フェンさん)
外務省の主催で行われたシンポジウムには、古くからハーグ条約に加盟しているドイツとイギリスから専門家が招かれ、子どもの返還請求を受けた場合、裁判所の手に委ねるだけでなく、当事者同士の調停で解決策を探ることが有効だという意見が出されました。
ハーグ条約は強制的な措置を取ってでも連れ去られた子どもを元の国に戻すことを求めていますが、調停を通じて夫婦間の問題の自主的な解決が図れれば、子ど もの精神的な負担を和らげることができるとしています。ただ、国をまたいだ調停となるため、それをサポートする弁護士などが国際的な案件を扱うための専門 的な知識を持っている必要があること、さらに、弁護士費用や渡航費などコストを誰が負担するかなど、課題も指摘されました。
国際結婚の破綻で日本人が無断で子どもを連れて帰国するケースが増えて問題となっていますが、日本はG8諸国の中で唯一、ハーグ条約に加盟しておらず、アメリカやヨーロッパ諸国が早期の加盟を求めています。(16日23:57)
カテゴリー: 1,報道