中外日報:親が離婚、別居 子どもとの「面会交流」会場に

親が離婚、別居 子どもとの「面会交流」会場に

http://www.chugainippoh.co.jp/religion/news/20121117-004.html

2012年11月19日 16時58分

浄土宗西山禅林寺派総本山永観堂禅林寺(京都市左京区)は京都家庭裁判所の要請を受け、昨年10月から夫婦の離婚後や別居中に子どもを養育・監護し ていない方の親が子どもと面会する「面会交流」の会場提供に取り組んでいる。宗教の公共性が問われる中、同寺は「地味な活動だが、地域や行政とのつながり も大切にしていきたい」としている。

面会交流は親と定期的・継続的に交流を保つことで、不安や喪失感の解消など子どもの健全な成長を促進するために実施される。今年4月に施行された民 法の一部改正では、離婚時に協議すべき事項として明文化されたが、京都家裁によると、争い合ってきた夫婦が冷静に面会交流の実現に協力するには困難が多 く、家裁への調停に持ち込まれるケースが年々増加している。このため調停期間中に家裁職員が立ち会う「試行的な面会交流」を実施することもある。

永観堂は、この「試行的な面会交流」に協力。僧侶の案内で境内を散策するケースもあれば、永観堂で落ち合った後に近所の動物園などに出掛ける親子もいる。境内の庭園の美しさや豊かな自然環境など利用者の反応は概ね良いという。

永観堂の華園源昭・本山部長は「夫婦間の対立は複雑な要素が多い。面会時のトラブル発生など会場提供に慎重な意見もあった」とする一方、「子どもに 優しい言葉を掛けたり、おもちゃを準備しておくくらいのことしかできないが、無邪気な笑顔を見ると協力してよかったと実感する」。また「寺の職員にとって は『世の中にはさまざまな社会問題がある』ということへの気付きのきっかけにもなっている」と話す。(詳細は2012年11月17日号をご覧ください。

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