ドイツのニュース:連邦内閣、親権手続簡略化法案を閣議決定

連邦内閣、親権手続簡略化法案を閣議決定

http://www.obasan.de/2012.7.19/2012,7.19,2.htm 

    連邦内閣は7月4日(水)、未婚の父親の権利を強化し、未婚の親の共同親権手続を簡略化する法案を閣議決定した。未婚の父親は母親が同意しない場合でも共同親権を取得できるようになる。

現行法では、共同親権は両親が結婚している場合、あるいは両者が同意した場合にのみ認められる。未婚の父親の共同親権は母親の同意を必要とし、母親が拒否した場合には母親が単独親権を取得する。未婚の父親は母親の拒否に対して裁判所に異議申立することが認められない。

しかし、欧州人権裁判所と連邦憲法裁判所が2010年にこの事実上の「母親の拒否権」を覆す判決を下し、連邦政府に対して法律を改正するよう勧告していた。

法案によると、原則的に、未婚の母親が出産後、まずは単独親権を取得する。母親が共同親権を拒否する場合には、未婚の父親は少年保護局に仲介を依頼するか、家庭裁判所に共同親権を申立てることができる。少年保護局の仲介は義務付けられない。

この申立は母親に送達される。母親がそれに対して期限内(出生後6週間以内)に意見表明しない場合、あるいは子供の幸せと関係のない理由しか提示できない 場合には、共同親権を阻止する他の理由がない限りにおいて、簡略化された手続で迅速かつ非官僚主義的に共同親権が認められる。

母親が異議を唱え、子供の幸せが脅かされる理由を提示した場合には、家庭裁判所で通常の裁判手続が行われ、子供の幸せに反する場合にのみ、共同親権が拒絶される。

母親が子供の幸せと無関係な理由を述べた場合には、異議申し立てが却下される。例えば、父親との関係が短期間にすぎず、今後コンタクトを望んでいないという理由で反対する場合は、共同親権を妨げる十分な理由とはみなされない。

共同親権が考慮に値せず、父親の単独親権が子供の幸せに最善であると判断された場合には、母親の同意がなくても父親が単独親権を取得することができる。

ロイトホイザー・シュナレンベルガー連邦法務大臣は、「通常、子供は両親との親密な関係を望んでいる」という家族研究調査結果が同法案の背景にあることを 明らかにした。「原則的に、子供には両方の親が重要である」ことを強調した。また、親権手続が大幅に簡略化される同法案の根拠は「子供に対する責任を全面 的に果たすこと」を父親に訴えることでもあると語った。

1995年は未婚の親から生まれた子供の割合が全体の15%であったが、2010年は約33% に上昇している。同法相によると、家族形態の変化に相応する、新しい社会像を反映する親権改革が必要になった。親が結婚しているか、一緒に住んでいるか、 別れて生活しているかに依存することなく、子供の幸せを妨げない限りは原則として両親が共同親権を取得できるようにすることが法律改正の目的であるとい う。

「子供の両親が一緒に生活している場合には、自動的に共同親権を与えるべきだ」という学識者の提案は今回の法律改正に採用されなかった。

12年前