http://enokiuchi.jp/question201205.html
平成24年5月議会 質問
○4番 榎内 智議員 みんなの党の榎内です。
(略)
続いて、離婚時における子供の養育費及び面会交流の確保についてお尋ねいたします。
民法の一部が改正され、本年4月1日より施行されております。改正後の民法第766条では、協議離婚の際、協議で定める子の監護についての必要な事項の具 体例として、養育費と面会交流が明示されました。また、これを定めるに当たっては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない旨、明記されました。
親同士は離婚してそれで終わりでも、子供にとっては、いつまでも大切なお父さん、お母さんには変わりありません。一般的によくあるケースとして、離婚後、 父親からの養育費が支払われないといったことがあります。厚生労働省の調査でも、支払いをしているのは2割に満たない状況です。また、親権を持つ母親が元 夫と一切の接触をしたくないがために子供を父親に会わせないなど、いずれの場合も親の都合で子供の権利を阻害しています。子供が生活し、成長するために必 要な養育費、そして一緒に暮らせなくても父母と会う機会を持つことは、親ではなく子供にとって必要なことです。
このたびの民法改正によって、離婚届の書式に未成年の子供がいる場合の養育費の取り決めの有無、面会交流の取り決めの有無をチェックする欄が新たに設けられました。
まず、4月の離婚届の受理数と、そのうち未成年の子がいる届け出の数、そして養育費及び面会交流それぞれについて、取り決めの回答数をお答えください。
離婚届にこの回答欄ができたことは、離婚の際に取り決めを行うよう促す意味で、一歩前進したと言えます。しかしながら、これに未回答、またはまだ取り決めしていないと回答した場合においても、離婚届は受理されると聞いております。
親同士、離婚をすると当人同士の関係は切れ、その後の協議を行っていただくのは難しくなるわけですから、離婚する前にしっかりと子供のことを決めていただ く必要があると考えます。未成年の子がいる協議離婚の届け出において、未回答あるいはまだ取り決めていないと回答された場合は、DVや児童虐待を原因とす る場合を除き、安易に受理しないような対応をしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
また、これら取り決めにも支援が必要な場合があると考えられます。お聞きしましたら、養育費などについては母子相談が相談窓口になるとのことです。母子と いうことですが、ここでは父子の相談も受け付けているとのことでありました。ただ、その名前から父子は相談しづらいでしょうし、実際には母親の生活相談が 主だとのことです。今後は、子の支援を中心とするような家族の相談、支援の窓口に改めていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
(略)
○赤松祐子こども部長
(略)
次に、母子相談につきましては、母子及び寡婦福祉法に規定されております母子自立支援員が、離婚前の方やひとり親家庭等の皆様を対象として、子育て、住居、就労に関することなど家庭の生活全般についての御相談をお受けし、自立に必要な情報提供や助言等を行っております。
養育費や面会交流などについて専門的な知識を必要とする内容には、法律相談を御案内しておりますが、今後も子供の利益を最も優先して考慮されるよう助言し、関係部局とも連携いたしまして、ひとり親家庭の自立支援を行ってまいります。
また、母子相談では父子家庭の方が相談しにくい名称となっていることから、名称変更に向け、今後検討してまいります。
○木下寛和市民生活部長 本年4月に施行されました民法改正に伴います離婚届の取り扱いにつきましてお答え申し上げます。
両親の離婚は、子供にとって非常に大きな出来事でございます。このことを乗り越えて子供が健やかに成長していけるよう、夫婦が協議により離婚する場合、面 会交流、すなわち子供と離れて暮らしている親と子供の面会や電話、手紙などによる交流について、また子供の養育費の負担について、あらかじめ協議により定 めることが民法改正により明文化されました。
今回の法改正の趣旨を周知するため、本年4月から離婚届の書式に面会交流及び養育費について、その取り決めの有無をチェックする欄が設けられております。
本市での4月の離婚届受理件数57件のうち、未成年の子供がいるケースは27件で、そのうち面会交流及び養育費の取り決めをしているケースは12件となっております。
次に、面会交流、養育費を取り決めていない場合、安易に離婚届を受理しないような対応をしてはどうかという点についてでございますが、今回の離婚届に関し ます法務省民事局長通達において、面会交流と養育費の取り決めの有無は離婚届け出の要件ではないと示されております。そのため、取り決めがないことを理由 として、窓口で届け出の受理を拒むことはできないこととなっております。
市の受付窓口では、チェック欄が未記入の場合には記入を促すなどにより、市民の方々へその趣旨を周知しております。また、必要な場合には、関係部局とも連携いたしまして相談窓口への案内などを行ってまいりたいと考えております。