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kネットワーク九州交流会(2012/5/19)
宗像さんが講演、「当事者にふさわしい『適切な手続き保障』を」
5月19日(土)、別府市・野口ふれあいセンターにおいて、kネットワーク九州の交流会が行われました。講師としてkネット理事の宗像さんが「離婚や『連れ去り』で引き離される親子たち…面会交流の明文化でどう変わる?」と題して講演をされました。
この交流会には、県内や遠く九州各県から12名の方々が参加されていました。中には、ニュージーランド出身の方も参加され、ニュージーランドとの違いも 話してくれました。また、息子さんが当事者となったことをきっかけに、ネットワークに参加されているご夫妻もいらっしゃいました。
宗像さんの講演は、民法766条の改正をきっかけとして面会交流の進展を計るための取り組みや、行政や裁判所の問題点と運動の進め方をご自身の経験をま じえて話してくれました。とりわけ、「現在の裁判はパワーゲームになっています。家事事件手続法に示されている当事者にふさわしい『適切な手続き保障』を 求めていくことが大切です。」と語られていました。宗像さんが裁判所や行政の対応の問題点を指摘すると、参加者の方々はうなずきながら聞いていました。当 事者でもある参加者のみなさん方にも同じような経験があるからだと思います。
参加者の一人の方は、親権の裁判が進む中で、いきなり「DV(家庭内暴力・ドメスティックバイオレンス)があった」ことにされたと話されました。相手側 が子どもに会わせないために、裁判の過程で突然「DVがあった」と言い出すケースはたいへん多いそうです。
また別の参加者の方は、「裁判では会えないことになっているのですが、今日、子どもの運動会があり見に行ってきました。」と話されました。私は、小学校 の教職員をしていたときのことを思い出しました。もう20年以上前になりますが、学校行事で遠足に行ったときの出来事です。担任していた子どもの父親が子 どもへの面会を求めて、いきなり遠足の目的地の公園にやってきました。私はとても戸惑いました。携帯電話などなかった時代ですから、母親に連絡できず、子 どもに「どうする?」と尋ねました。子どもが「会いたい。」と言うものですから、一緒にお弁当を食べてもらいました。しかし、翌日、子どもの母親からとて も叱られました。あのとき、私は間違った判断をしたのだろうかと、いまだに心の隅に残っています。
kネットワークの冊子にこんな文書が載っています。「離婚は夫婦の別れですが、子どもとの別れではありません。」現在の離婚に関わる民法や裁判所の判例は、子どもの権利としての視点が欠けているのではないかと感じています。人権に関わる問題として、これから、この運動に関わっていこうと感じた交流会でした。