http://www.asahi.com/national/update/0614/OSK201206140087.html
米国で離婚訴訟中に長女(9)を日本に連れ帰った兵庫県の女性(44)が申し立てた家事審判の抗告審で、大阪高裁(坂井満裁判長)は、米国在住でニカラグア国籍の元夫(40)に親権があると決定した。女性を親権者とした神戸家裁伊丹支部の判断を変更した。女性は昨年4月、渡航先の米国・ハワイで親権妨害の疑いで身柄を拘束され、長女を元夫に引き渡す条件で釈放されていた。
決定は4月27日付。女性が長女を日本に連れ帰った後の2009年6月、米国の裁判所は離婚を認め、元夫を親権者とした。女性は親権者の変更を伊丹支部に請求。支部は昨年3月、女性を親権者とする一方、長女と元夫を定期的に面会させるよう命じ、元夫と女性の双方が判断を不服として即時抗告していた。坂井裁判長は、長女が米国での学校生活になじんでいるなどとして「親権者を女性に変える事情は認められない」と判断した。
元夫は14日、米国からインターネットを通じて会見し「娘が米国に戻ってうれしい。守っていきたい」と述べた。女性の代理人弁護士は「高裁の決定に従わざるを得ない」と述べた。
国際結婚した夫婦の一方が子を外国に連れ帰って対立した場合、ハーグ条約は子を元の居住国に原則戻すと定めているが、日本は条約に加盟していない。政府は加盟のための関連法案を今国会に提出している。(岡本玄)
カテゴリー: 1,報道