外務省:日米外相会談(概要)平成24年4月11日

日米外相会談(概要)

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平成24年4月11日

日米外相会談

 10日午後2時過ぎ(現地時間)から約1時間,訪米中の玄葉外務大臣は,クリントン国務長官との間で日米外相会談を行ったところ,概要以下の通り(先方:キャンベル国務次官補,デイヴィース北朝鮮担当特別代表,ラッセルNSCアジア上級部長,ヌーランド国務省報道官ほか,当方:藤崎駐米大使,別所外務審議官,八木経済局長,伊原北米局長ほか同席)。

1 日米関係

(1)総理訪米
玄葉大臣から,来る総理訪米は激変するアジア太平洋情勢の中で日米同盟の今日的な意義を確認し,今後長期における日米関係のあり方を規定するものとして大変重視をしている旨強調し,クリントン長官の協力を得て成功に導いていきたい旨述べた。クリントン長官からは,総理訪米を歓迎するとともに,現時点での準備状況について説明があり,現在二国間で行われている様々な作業の進捗を示す機会として重視しているとの立場が明らかにされた。

(2)日米安保
玄葉大臣から,米国がアジア太平洋を重視する政策を打ち出していることを歓迎しており,こうした政策を踏まえて日米間の安全保障・防衛協力を進めていきたい旨述べた。
また,玄葉大臣から,米軍再編にかかる議論については,抑止力を維持しつつ,できるだけ早期の沖縄負担軽減に資するような成果が得られるよう努力をしていきたい旨述べ,これに関連する経費負担の問題について,日本国内で十分説明できるものでなければならない,これまでの日米合意との整合性を踏まえて判断していく必要がある旨述べた。
玄葉大臣はさらに,嘉手納以南の土地の返還について,具体的かつ前向きな見通しを示すことが重要との認識を示した。日米双方で引き続き協議を続けることで一致した。

(3)経済
TPPについて,玄葉大臣は,これまでのTPP交渉参加に向けた日米間の協議において,米側から協力を得ていることを評価し,双方で日米協議を引き続き進めていくべきことを確認した。また,玄葉大臣から,日本国内の状況について説明した。
天然ガスについて,玄葉大臣から,日本国内で米国のシェールガス,天然ガスの輸出拡大の可能性について関心が高まっており,北米からの輸入拡大を求める声も強い旨述べた。玄葉大臣から,天然ガスの輸出を日米間の新しい重要な協力分野として検討できないかと提起した。

(4)宇宙協力
玄葉大臣から,宇宙外交を重視しており,宇宙状況監視や日米宇宙枠組協定交渉の前進などといった形で日米協力を進めていきたい旨述べ,クリントン長官からも賛同の意が示された。

(5)文化・人的交流
玄葉大臣から,日米桜寄贈100周年の様々なイベントが盛大に行われており,折りしも日本は桜が満開である,ハナミズキ寄贈という米側のイニシアティブを歓迎する旨述べた。
また,玄葉大臣から,青少年交流に関し,昨年度第3次補正予算で計上した「キズナ強化プロジェクト」の準備について説明し,日米関係の将来を担う「トモダチ世代」を造りたい旨述べた。

(6)子の親権
クリントン長官から,ハーグ条約について言及があり,国会での条約成立への期待感が示された。

2 北朝鮮

玄葉大臣から,北朝鮮のミサイル発射は,米側が多大な努力で作り出した対話再開への道筋を損なうものであり強く懸念する,発射されれば2009年の発射の際よりも安保理決議違反が明確であり,繰り返される決議違反に対して国際社会が適切に対応していくことが必要と述べ,米側との間で認識の一致を見た。
また,先週末に開催された日中韓外相会議の模様を踏まえて議論が行われた。玄葉大臣から,明11日からのG8外相会合においてもG8として対応することが必要と指摘した。双方は,日米間の緊密な協力,中国,ロシアを含めた関係各国との協力を引き続き継続していくことを確認した。

3 アフガニスタン

クリントン長官から,日本のこれまでの貢献に対する謝意が示され,7月に予定されているアフガニスタンに関する東京会合を含め,日本の引き続いての支援に期待するとの発言があった。玄葉大臣からは,東京会合で具体的成果を出したい,クリントン長官自ら参加いただきたいと発言した。

12年前