DV証明困難 運用不安
詳細はこちらから2012.1.23 20:54
ハーグ条約に加盟すれば国際結婚をめぐるトラブルが減少するという見方がある一方、国内では反対論も根強い。要綱案ではドメスティックバイオレンス(DV)から逃れた帰国は子供の返還を拒否できるとしたが、DVの証明は難しく、被害者からは不安の声が聞かれる。
「元夫からのDVをちゃんと証明するのは難しい。海外で起きたことなので証言を取り、診断書を用意するのは大変」。オーストラリア人の元夫の暴力などが原 因で数年前に子供と日本に帰国した40代の女性は、条約加盟前の帰国のため対象外となるが、加盟後の運用に不安を口にする。
元夫はほとんど働かなかったが「無職だから養育能力がないということにつながるのか。どういう判断をされるのか、実際に始まってみないと分からない点が多すぎる」とし、「DV被害者が守られる保証はない」と指摘する。
条約加盟に際し、最も望んでいるのはサポートだ。「海外でDVで苦しんでいる日本人女性の大半は情報がなくて、独りで苦しんでいる。加盟するなら、弁護士の紹介や相談窓口などの基盤作りをしっかりしてほしい」と注文を付けた。
一方、日本人同士の夫婦間の問題への影響を期待する声もある。約2年前に娘を妻に連れ去られ、面会を拒絶されているという埼玉県の男性(39)は「加盟を 機に、国内の連れ去り禁止や共同親権制度の導入、離婚後も双方の親が子育てに関わる慣行が根付くことを期待したい」と話している。
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