http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011052701000396.html
米国在住のニカラグア人男性が、離婚した日本人の元妻が連れ帰った子ども(8)の引き渡しを求めた家事審判で、神戸家裁伊丹支部(浅見宣義裁判官)が米国で男性が子どもと面会することを認めていたことが27日、訴訟関係者への取材で分かった。海外での面会を認めた例は珍しい。
審判は3月14日付。双方が大阪高裁に控訴している。
訴訟関係者によると、伊丹支部は子どもが日本での生活になじんでいる点を重視。父親の親権を元妻に変更し、引き渡しの申し立てを却下した。
その上で「父親側の文化や言語に触れた方が子どもの幸せになる」と指摘。元妻に対し2017年8月まで毎年、日本で約2週間、米国で約30日間、子どもを父親に面会させるよう命じた。ウェブカメラや電話で交流することも義務付けた。
元妻の代理人弁護士は「親権の変更を認めたことは評価するが、義務付けられた面会や電話の頻度が高く、子どもの負担になるのではないか」と話している。
家族関係をめぐる法律に詳しい棚村政行早稲田大教授(民法)は「男性が約束を破って米国で子どもを連れ去ったり、日米の法律の違いから渡米した元妻が取り戻そうとして逮捕されたりする恐れがある」と指摘している。
(共同)
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