[映像]子供の連れ去り・引き離しは監護者決定で不利に。“異論ない”と江田法相、4月26日衆院法務委

子どもの連れ去り・引き離しを行った親を監護者の決定で不利とする、いわゆる「Friendly Parent Rule:フレンドリー・ペアレント・ルール」友好親の原則(寛容性の原則)について、江田五月法務大臣は「一般論として異論はない。重要な指摘である」と賛成の答弁しています。
ただ、具体的な法制化については「慎重に検討が必要だ」とだけ答えています。
4月26日の衆議院法務委員会においてです。

衆議院法務委員会会議録

第9号 平成23年4月26日(火曜日)

  • 政府参考人出頭要求に関する件
  • 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三一号)
  • 民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案(第百七十六回国会閣法第八号)(参議院送付)

(抜粋はじめ)

○奥田委員長 次に、馳浩君。

○馳委員 自由民主党の馳浩です。よろしくお願いいたします。

先週、四月二十日の連合審査会に引き続いて、子供の連れ去り問題から質問をさせていただきます。

子供の最善の利益を重視する姿勢を一段と今回の民法改正で出しました。ならば、未成年者の子供がいる夫婦間で起こった子供の連れ去り問題は、子供の最善の利益をしっかりと勘案して、慎重に裁判所の決定をすることが今回改正の立法趣旨の一つだと私は思いますが、大臣としての見解をお伺いしたいと思います。

○江田国務大臣 夫婦の間で子の奪い合いが生じた場合の子の引き渡し、これは、現在、家事審判法では、民法七百六十六条の子の監護について必要な事項として家庭裁判所が判断するわけですが、その場合に、本法律案で「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」という理念を明記しておりまして、これはもう委員の御指摘のとおりだと思っております。

○馳委員 具体的には、DV防止法上の保護命令を出すときも、より慎重に適正手続を踏んで行うこと、不当な連れ去りは、場合によっては児童虐待となる場合もあること、監護親を決定する場合に、不当な連れ去りは不利に働き、逆に、面会交流に積極的な親が監護親の決定に有利に働くこと、面会交流の約束を正当な理由なくほごにした場合、監護権者変更の重要な要素となるなど、これらの四点をしっかりと制度化していくべきではないかと思いますが、いかがですか。

○江田国務大臣 DV防止法上の保護命令は適正手続が必要だ、あるいは子の連れ去りが場合によっては児童虐待になる、あるいは監護権、監護親を決定する場合に不当な連れ去りが不利に働くように、面会交流に積極的な親が監護権決定に有利に働くように、あるいは面会交流を正当な理由なく破ったら監護権者の変更の重要な要素になり得るというような御指摘は、いずれも一般論としては異論ありません。重要な指摘だと思います。

ただ、この一般論を法制化するということになりますと、その必要性とかあるいはルールとしての明確性、ほかに考慮すべき要素がないかどうかなど、いろいろ考慮しなきゃならぬ点がございまして、今の段階では慎重な検討が必要だと思います。
(抜粋終わり)

14年前