法務省:法務大臣閣議後記者会見の概要4/28民法等改正(共同親権), ハーグ条約, 刑事司法改革

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成23年4月28日(木)

今日は8時25分から閣議と閣僚懇談会がございました。当省関係は特別ありませんが,松本外務大臣と野田財務大臣が外国へ出張されるというので,私が松本外務大臣出張の間,外相臨時代理を務めるということになりました。ほかにいろんな統計の報告がございましたが,今年は電力の節電なんかもありますし,クールビズを徹底して取り組まなければということで,クールビズ体制を例年より早めて5月1日から10月の末日まで実施するということでございます。

民法等改正案に関する質疑について

Q:昨日,衆議院の法務委員会で民法改正案可決後に附帯決議が可決されました。その中で共同親権の可能性の検討というものがございます。一部からかなり要望の多い項目ですが,共同親権に対するお考え,それから今後の検討についてのお考えをお伺いします。
A:青少年問題特別委員会連合審査会なども含めて充実した質疑が行われて,26日に衆議院法務委員会で全会一致で可決され,これは大変ありがたかったと思います。ちなみに私も過去の例を調べてはいないのですが,26日は衆議院で民法,それから参議院から送付された民事訴訟法,参議院の方では非訟事件,家事事件,関係法律の整備法など,5つの法案が同じ日に全会一致で可決されたというのはめずらしいのではないかと思っていますが,これは余談です。今のお話しの民法等の採決に際して,附帯決議がなされて,その中で質疑の中でも取り上げられた共同親権の問題や,あるいは親権の一部制限制度や懲戒権のこととか,いろんなことが話題になって,そうしたことについて今後しっかり検討していかなければいけないという附帯決議がなされたと理解しております。その際も私の方から申しましたが,これはそれぞれにいろんな意見がございますので,そうした意見を踏まえながらしっかり検討をしていきたいと思います。あまり個人的な見解を申し述べるのはどうかと思いますが,単独親権とした理由というのは,私も民法を勉強したのがかなり昔のことになって,記憶がかなりうつろになっておりますが,おそらく単独親権が良いとした時代の背景と今とではいろんな変化はあるのだろうと思います。したがって,共同親権を真っ正面から考えるべしという意見も出てきているのだろうと思います。私が勉強した当時は単独親権が当たり前という時代でしたが,今は,やはり新しい結婚,離婚の在り方,家族の在り方,親子関係などを考えてそういう問題点の指摘があると,そうしたかなり強い主張があるということには真剣に向き合わなければいけないことだと思っております。

ハーグ条約に関する質疑について

Q:ハーグ条約について,G8のときに総理が加盟の方針を伝えるのではないかという報道が一部でされていますが,そういう方向にあるのかどうかということをお願いします。
A:報道があることは承知をしておりますが,ちょっとそういうことが確認できるかというところは,私が今知っている限りでは,そうなっているということではございません。しかし,ハーグ条約については,いろんな作業が進んでいることは事実です。

刑事司法改革に関する質疑について

Q:新しい刑事司法改革の法制審議会の部会を設置する件ついて,人選とか開催の目途について,現在の状況を教えてください。
A:新しい刑事司法制度を検討する場ということで,かなり枠の広い,深いテーマの検討の場ですので,早急にということにはなっていますし,早急にやりたいとは思いますが,事柄の性質上,そんなにあっという間にできるというものじゃありません。しかも,法制審議会の特別の部会としてつくるということで法制審議会との調整もありますし,また国家公安委員会との調整とか,いろんなことをやっていかなきゃいけないんで,人選についても開催の目途についても,私は,検討は着実に進んでいると思っておりますし,困ったなあということになっているわけではないのですが,しかしまだちょっと発表させていただくほどには熟してはいないです。法制審議会の開催が会長の日程などもあって,この時期は無理なんですという時期があるもんですから,今日から1か月というのじゃちょっと難しいのかなという感じです。鋭意進めております。
(以上)

13年前