法務大臣閣議後記者会見の概要
平成23年3月4日(金)
今日は閣議がございまして,懸案の民法等の改正案が決定されました。これは子の福祉にとって非常に重要な法案なので,是非成立を目指して頑張っていきたいと思います。
民法等の一部改正に関する質疑
Q:民法改正案についてですが,今大臣おっしゃられたように子の福祉をまずもって優先するような形に法案自体ができあがっていくのだと思いますけれども,例えば今現在どのような困難にある人などがこれによって救われるとか,具体的なイメージというのはどのようにお考えですか。
A:前にも申し上げたことですが,親権というのは子どものためにあるんですよね。ところがそれでも親かということが最近本当によく報道でも見られたりする。これに対してみんながそんなことで良いのかと心配をしていたんだと思います。そういう場合に,親権喪失,親権をなくするというのはなかなか手間が大変ですし,大だんびらということになるので,2年以内という期間を区切って親権を停止をすると,そしてその間,親権者以外の人が子どもの監護・養育にきっちりあたっていくことができるようにしようということで。さらに親権の内容についても,今まで子の福祉が前面に出ていなかったのですが,こういうものもはっきりさせて,また未成年後見の在り方,これもきっちり整理しようということなので,一日も早い成立を願っております。
ハーグ条約に関する質疑
Q:ハーグ条約について,先日アメリカの国務長官が日本の批准を促すような発言もあったと思うのですけれども,そうしたアメリカ側からの外圧というものにどのように対応していくべきかというお考えについて伺いたいのですが。
A:外圧に対応ではなくて,まさに日本としてこれから国際結婚が増えてくる。そうすると離婚も増えてくるでしょう。常に離婚する側の女性は日本人で,常に日本人の女性が国境を越えて日本に子どもを連れて来ることばかりとは限らない時代が来ますから,これは外圧に対処ではなくて,日本として国境を越えた離婚に伴う,あるいはその家庭の破綻に伴う子の移動について,国際ルールの中でどう役割を果たしていくかということだと思っております。