夫婦の一方が配偶者同意なしに他国へ子供連れていけば「誘拐」
条約は子供送りかえす義務付与「韓国政府で肯定的検討してもらい幸運」
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←「国際誘拐危険広報」スーザン・ジェイコブス アメリカ子供親善大使
「国際結婚が日ごとに増える韓国も『国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約(Hague IPCA)』への加入が必要です」
19日午後ソウル龍山区の駐韓アメリカ大使館で会ったスーザン・ジェイコブス(写真)アメリカ子供親善大使は「国際的な子の奪取」の危険性を何回も強調した。「国際的な子の奪取」とは、国際結婚をした夫婦の一方が、配偶者の同意なしに子供を他国へ連れていくことを意味する。
1980年10月25日ハーグ国際司法会議で採択されたこの条約には、現在世界84ヶ国が加入しているが、韓国と中国、日本、インド、ロシアなどアジアの国々は未加入状態だ。
彼女は、「片方の両親によって、突然、他国で生活することになった子供は、精神的・文化的衝撃と共に行政的にも困難に直面することになる」として「ハーグ条約に加入すれば、子供の環境についてどのような選択が最善なのかを決定できることになる」と話した。
国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約は、子供を本来生まれた国に送り返して、その国の裁判所が養育権紛争を判決するようにする国際条約だ。加入国間で子供を
2011年02月13日12時51分
奪われた両親が、子供の返還訴訟を起こした時、相手国は子供を探して送りかえさなければならない義務を負うことになる。
それでも「国際的な子の奪取」をした親側が、無条件で子供を奪われるのではない。ジェイコブスは「アメリカ人の夫にむちで打たれながら生活していたトルコ人妻が離婚した後、夫の同意なしに子供をトルコに連れていった事例があった」として「ハーグ条約によりアメリカに送りかえした子供は、養育権裁判で父親の家庭暴力事実が明らかになり、母親とともに安全にトルコに返した」と説明した。
ジェイコブス大使は「韓国でも国際結婚で生まれた子供たちが増えて、他国で奪取されることも増加している」として韓国がハーグ条約に参加することを促した。法務部国際法務課のシン・スンホ検事はこの日「政府も条約加入に賛成する」として「条約を実現するために、国内法を先に改正するのに時間がかかるだけ」と伝えた。
ジェイコブス大使は、37年間、国務省に勤めた職業外交官だ。彼女は10代の時からベビーシッター、夏のキャンプの指導者などの仕事をして子供に関心を持ち始め、外交官として仕事をした際には、イスラエルで国際奪取にあったアメリカ人の子供を世話する仕事を担当したこともあった。ジェイコブス大使は「子供3人に孫5人がいる母やおばあさんとして、自然と子供の権利に関心を持つのは当然」と明るく笑った。
キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr 写真 駐韓アメリカ大使館提供