毎日JP:ハーグ条約:仏上院が対日決議、批准要求

【パリ福原直樹】国際結婚が破綻した夫婦の一方が、子供を故国に無断で連れ出すことを不当としたハーグ条約について、フランス上院は25日、日本の条約批准を求める決議案を賛成多数で可決した。決議を機に仏政府は、日本の積極的対応を求める意向だ。問題は、主に外国人男性と結婚した日本人女性が離婚後、子供を日本に無断で連れ帰り、父親に会わせないことで表面化。欧米が日本を批判していた。

決議案は与党・国民運動連合と野党第1党・社会党がそれぞれ独自に提出した。仏議会で与野党が同内容の決議案を出し、同時採択されるのは異例で、仏側の日本への批判の強さを示した形だ。

決議は、離婚後、双方の同意がないまま子供を連れ去るのは仏では重罪だが、日本では処罰されない▽フランス法は離婚後、両親と子との面会権を認めているが、日本は違う--などと日仏の制度を比較。「条約が規定した親の子への面会権を認めるべきだ」として、日本に批准を強く求めた。

同日の議論では一部議員が「問題は外交上解決すべきで、決議案は日本を不必要に刺激する」との反対論を展開した。だが、アリヨマリ外相は「決議案は我々の懸念を表明しており、具体的な解決策が必要だ」と、日本の積極対応を求める仏政府の立場を強調した。

同条約は現在84カ国が加盟している。

14年前