西日本新聞「国際結婚破綻後の親権ルール『ハーグ条約』日本も加盟を 仏上院、決議案採択へ」

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ハーグ条約

国際結婚が破綻した後、一方の親が無断で子どもを国外へ連れ去り、もう一方の親が会えなくなる事態に対処するための条約。1983年に発効。加盟国は返還を求められた場合、子どもの居場所を調べ、元の在住国に戻す義務を負う。子どもを養育する「監護権」を判断するため、いったん元の環境に戻すのが条約の趣旨。日本は先進7カ国中、唯一未加盟。

国際結婚破綻後の親権ルール 「ハーグ条約」 日本も加盟を 仏上院、決議案採択へ

2011年1月5日掲載)

【パリ共同】フランス上院は1月下旬、国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」への加盟を日本政府に要求する決議案を審議し、採択する見通しとなった。決議案を策定したリシャール・ユング議員(社会党)が4日までに明らかにした。

同様の決議は2010年9月に米下院が採択しており、日本政府は同条約批准の方針を固めている。ただ国内法整備には時間がかかる見通しで、仏上院の新たな決議は、政府に手続きの迅速化を迫る圧力となりそうだ。

ユング議員によると、日仏の夫婦が破綻して子どもが日本に連れ去られた場合、養育や接見に関するルールがないため、フランス側の親が子どもに会えなくなるケースがこれまでに100例以上あった。10年には子どもに会えないことに絶望し、東京で語学教師をしていたフランス人男性ら2人が自殺したという。

フランスの与野党が合同で準備した決議案は「日本には、離婚後に子どもの

親権を分かち合う法律が存在せず、訪問の権利が制限される」と指摘。「先進7カ国(G7)で、ハーグ条約に加盟していないのは日本だけだ」として条約加盟を要求している。

1月25日に上院へ提出され、早ければ同日中に採択の見通し。ユング議員は「夫の暴力から逃れるために、子どもを連れて帰国するケースがある。その場合でも司法手続きを介在させようということだ」と述べた。

同議員によると、ハーグ条約には欧米を中心に83カ国が加盟。10年10月には11カ国の駐日大使が合同で柳田稔法相(当時)に条約加盟を要請した。

13年前