30代の男性。昨年、協議離婚しました。
3歳の息子は元妻が引き取って暮らしています。
離婚の原因は夫婦の性格の不一致でありましたが、
私は子どもを愛しており、これから先も愛し続けていきます。
子どもの存在もあるので、他の女性との付き合いを避けていたのですが、
先月、「付き合いたい」と申し出てくれる女性と出会い、交際することになりました。
彼女は私の家庭の事情なども理解してくれているので、感謝しています。
相談したいのは、離婚後、早期に彼女ができることで、
子どもに影響を与えないだろうかということです。
また、子どもへの愛情がありながら彼女ができたことに自己嫌悪を感じております。
その感情にどう対処したらいいのか教えてください。(熊本・D男)
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離婚後、早くも理解しあえる女性とめぐりあえてよかったですね。
彼女ができたことは、人生を再出発する上で、とても喜ばしいことだと思います。
それなのに、なぜ自己嫌悪に陥っているのですか?
私には理解できません。
彼女ができたからといって、子どもへの愛がなくなるわけではないでしょう。
父親として子を慈しみ育てる愛と、恋する女性への愛とは、性質が違います。
もしも、あなたが、彼女を愛したことを子どもへの背信行為のように思っているとしたら、
それは、考え違いです。
また、彼女の存在は、子どもとは何の関係もないので、
影響を心配することなどありません。
子どもはまだ3歳で、生活も別なのですから、彼女のことを子どもに話したり、
会わせたりしなければよいのです。
それよりも、両親の離婚が子どもに与えた影響を、
どのようにケアするかを考えるべきでしょう。
例えば、子どもとの接触は、母親と子の生活を害さないように配慮するなど、
親の感情よりも子どもの幸せを第一に考えることが大切です。
(土肥 幸代・弁護士)
(2010年9月21日 読売新聞)