母子家庭「養育費をもらったことがない」が56.9%…面会交流を継続的に行う人の頻度は「月1回」が最多

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7/12(金) 14:41配信
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写真:LIMO [リーモ]

民法改正により、離婚後は父親と母親の両方が子どもの親権を有する「共同親権」が導入されることが発表されました。報道以降、賛成・反対両方の意見が出ており、みなさんもそれぞれの状況において、考えるところがあることと思います。

◆【一覧表】養育費の受給状況&面会交流の実施状況・頻度は?

共同親権の導入により、養育費が支払われやすくなることや面会交流がスムーズにすすむなどのメリットがあるとされています。実際に養育費を受け取っている方はどのくらいいるのでしょうか。また、面会交流はどのくらいの頻度で行われているのでしょうか。

この記事では、養育費を受け取っている方の割合や面会交流の実施状況などについて解説していきます。

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離婚時の養育費の取り決めや受給状況

母子家庭における離婚時の養育費の取り決めの有無、実際の受給状況などについて見ていきましょう。

●養育費の取り決めをしたのは約47%
子ども家庭庁の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、離婚において養育費の取り決めをしているのは母子世帯の46.7%です。半数以上の方が養育費の取り決めをせずに離婚していることになります。

また、離婚には夫婦の話し合いによる協議離婚と、家庭裁判所による調停離婚や審判離婚がありますが、協議離婚の方が養育費の取り決めを行っている割合が低い傾向があります。

養育費の取り決めをしていない理由は、多い順に以下の通りです。

 ・相手と関わりたくない
 ・相手に支払う意志がないと思った
 ・相手に支払う能力がないと思った
 ・取り決めの交渉がわずらわしい
 ・取り決め交渉をしたがまとまらなかった など
「相手と関わりたくない」という回答が最も多く、「相手に支払う意志や能力がないと思った」という回答も多かったようです。

●養育費の受給状況
養育費の受給状況について、最も多いのは養育費を受けたことがない世帯で、56.9%と半数以上を占めています。

養育費を現在も引き続き受け取っている母子家庭は、わずか28.1%です。養育費を受けたことがあるという世帯は、かつては受け取っていたけれど現在は受け取っていない世帯で、14.2%となっています。

養育費の支払いを受けずにいる母子家庭が多く存在していることがわかります。

離婚後、面会交流を継続して行っているのは30%

親子の面会交流について、離婚時に取り決めをした母子家庭は30.3%となっています。調停や審判による離婚と比較して、協議離婚の方が取り決めをした割合は低いです。

面会交流の取り決めをしない理由としては、多い順に以下のような回答がなされています。

 ・相手と関わり合いたくない
 ・取り決めをしなくても交流できる
 ・相手が面会交流を希望しない
 ・子どもが会いたがらない
養育費の場合と同様に、相手と関わりたくないという回答が最も多くなっています。しかし、相手が面会交流を希望しなかったり、子どもが会いたがらなかったりするケースも少なくないようです。

●面会交流の実施状況
また、実際の面会交流の実施状況について、現在も引き続き交流をしていると回答しているのは30.2%となっています。

面会交流をしたことがないケースが約半数を占め、かつて面会交流をしていたけれど今はしていないケースが20.9%となっています。離婚後は、面会交流をしている親子は少ないことがわかるでしょう。

●面会交流の頻度
面会交流をしている方のうち、交流している頻度は月1回以上2回未満が最も多いです。

2~3ヵ月に1回以上や月2回以上、長期休暇のときなど、当事者の考えや都合によりさまざまなケースがあります。

面会交流を行わない理由として、多い順に以下のような回答があります。

 ・相手が面会交流を求めてこない
 ・子どもが会いたがらない
 ・相手が養育費を支払わない
 ・面会交流によって子どもが精神的・身体的に不安定になる
相手が面会交流を求めないことや、子どもが会いたがらないといった理由が多いようです。養育費の不払いも面会交流が行われない理由のひとつとなっています。
まとめにかえて

離婚する際に、養育費の取り決めをしているのは半数以下で、現在も受け取っている母子世帯は約28%にとどまっています。相手と関わり合いたくないことや支払う意志や能力がないと思われることなどが主な理由です。

また、離婚時に面会交流の取り決めをした母子家庭は約30%で、現在も交流している親子は約30%です。相手と関わりたくないという以外にも、相手が面会交流を望まない、子どもが会いたがらないという理由があるようです。

こういった状況を踏まえると、養育費の支払いや面会交流をスムーズにすすめるのは難しいといえます。共同親権が導入された際に、このような状況がどのように変化するのか注目されます。
参考資料

 ・総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
 ・子ども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」

木内 菜穂子

4か月前