「何度も母の背中に背負われ逃げた」立憲・福山議員 「共同親権」法案審議で自身のDV被害語り「子連れ別居」の正当性を問いただす

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5/9(木) 16:54配信
テレビ朝日系(ANN)

「何度も母の背中に背負われ逃げた」立憲・福山議員 「共同親権」法案審議で自身のDV被害経験語る

離婚後の「共同親権」を新たに認める民法などの改正案が参議院の法務委員会で審議されています。

立憲民主党の福山参院議員は、父親からのDV被害者だった自らの体験を述べた上で、DVから逃れた親子を守れる法案となっているのか問いただしました。

【立憲・福山参院議員「最も幼い時の私の記憶は、父の母への暴力を止めている自分の姿です。何度も母の背中に背負われ逃げました。/割れた茶碗やコップ、散らばった料理の残骸を片付けながら、いかに母と情けない惨めな思いをしたか今思い出してもぞっとします。商売を失敗し、債権者から逃れるために父は行方不明になりました。母と私と小学校1年の弟は生活のため住み込みで働くことになりまして、なんと父とは思いがけなく別居状態になりました。金もなく貧乏で将来も不安でしたけど、あの父から離れて生きることがこんなにも心穏やかで前向きになれるんだと母と話し合っていたことを思い出します。/法務大臣、今回の民法改正で、せっかく離婚が成立して子どもと再出発しているDV被害者の皆さんが/もし共同親権が認められたらと不安に思っている気持ちはご理解いただけますか」】

【小泉法務大臣「先生ご自身の苦しいご体験を語っていただきました。本当に迫ってくるものがあります。大変貴重なお話であり、まっすぐに受け止めたいと思いました。/我々法改正に携わる一員として、心にそれを重く置いて取り組まなければならない/しかし全体としては、/夫婦関係が破綻したら自動的に親子の縁が切れてしまうことも問題があると考えておりまして、両方を立てられる道筋を探してきているわけであります。そのこともご理解いただきたいと思います。」】

さらに福山氏は、DV被害者の居住変更について取り上げました。

DV防止法ができたことで、DV被害者は「逃げることを前提」としているため、婚姻中で共同親権の時も、居住を変えることは違法とならなかったものの、今回の改正案では、居住変更が「急迫の事情」にあたらなければ、違法になる恐れがあるのではないかという指摘です。

【立憲・福山参院議員「今までは逃げることは違法じゃないんです。子連れ別居は違法とは評価されないんです。しかし今回改めてこの『急迫(の事情)』の要件が入ったことによって、本当にこれで自分たちの子連れ別居=逃げることが違法だと言われないのか、ちゃんと正当化を今まで通りしてもらえるのか、これは自治体も相談センターも支援者も弁護士も皆このことの運用について不安に思っています。」】

【法務省・竹内民事局長ON「子の利益のため急迫の事情がある時は、親権を単独で行使することが出来ることとしております。/さらにこの『急迫の事情』に該当する場合としては、DVや虐待からの避難が必要であるような場合があると考えておりますので、DVからの避難には支障がないと考えております」】

【立憲・福山参院議員「DVだけじゃないんですよ。色々な課題があるんですよ。全く運用は変わらないで良いですね?」】

【法務省・竹内民事局長「各府省庁がとられている措置が、この改正でどのような影響を受けるかについては、一時的には各府省庁の解釈と運用になると思いますが、基本的には現行法の運用と変わらないと考えています」】

【立憲・福山参院議員「各府省庁の解釈とか裁判所の判断とか全然調整できていないじゃないか。法務省は、法律作って各省庁に判断任せるのか。そんな無責任な答弁しているからみんな不安になるんじゃないですか。】

【小泉法務大臣「子供を連れて居所を変える、DVの被害から逃げる。それはDVの恐れがまさにあるから現実にあるからそういう行動が起こるわけでありまして、その場合にはこれはもうDVがある、恐れがあるという風にこの法体系の中では認定されます。/今の取り扱いが変わることはありません」】

単独での親権行使が可能となる「急迫の事情」をめぐっては具体例がわかりづらいとの指摘が相次ぎ、衆議院での与野党の修正協議の結果、具体的に示すガイドラインを制定することが付帯決議に盛り込まれています。

また、そもそもどのような場合に共同親権となるのかも議論されました。小泉法務大臣は、父母の合意が前提であるとの見方を示した上で、「多くの場合は、単独親権の道をいく」と述べました。

【立憲・福山参院議員「今回、まさに親権に関して天地をひっくり返すような大きな改正をしようとしています。/その子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならないとして、共同親権を指定することが、本人同士の同意がなくても、裁判所が指定することになっている。/そもそもこの前提が私は間違っていると思っていますよ」】

【小泉法務大臣「合意ができないということは、大きな、大きな共同親権の、共同行使の障害になりうる。そういう判断は当然結果的に出てくると私は思います。/したがって多くの場合は、共同親権ではなくて単独親権の道をいくという形になります」】

改正案は、参議院での審議を経て5月中にも成立する見通しです。

テレビ朝日報道局

7か月前