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4/16(火) 13:39配信
毎日新聞
民法改正案の主なポイント
離婚後の共同親権の導入を柱とする民法改正案が16日、衆院本会議で賛成多数で可決された。離婚した父母が子のために協力しあう機運が高まるとの指摘がある一方、家庭内暴力(DV)を恐れるひとり親からは現行の単独親権の維持を望む意見も上がる。導入の可否を巡る審議は参院に移る。
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「共同親権導入の旗を掲げることで父母は協力し合わないといけないという意識改革が進むかもしれない」。3日の衆院法務委員会。離婚後の父母による子育てを後押しする一般社団法人「りむすび」(東京)のしばはし聡子代表(50)は参考人として、改正案の意義をそう強調した。
しばはしさんは夫婦関係の悪化から9年前に離婚を経験した。元夫に関わりたくないという思いがあり、小学4年だった長男を父親に会わせることには後ろ向きだった。長男は情緒不安定になり、昼間は楽しそうにしていても夜になるとしくしく泣いた。
離婚して1年がたった頃、わだかまりも減り、元夫に長男を食事に連れ出してほしいと頼んだ。長男にそのことを伝えると、びっくりした表情を浮かべ、大喜びした。元夫からも感謝の連絡があり「雪解け」を感じた。「子どもが望むのは親同士が争わないことなんだ」。自身の後悔と苦い経験を生かすため、2017年にりむすびを設立。「争うよりも歩み寄りを」をモットーに、カウンセリングなどを通じた離婚後の父母関係の再構築に重きを置く。
しばはしさんは、改正案が、父母には子の人格を尊重し、子の利益のために協力する義務があることを明記した点に注目している。
活動を通じて感情的な対立さえ整理できれば離婚後も、ともに子どもを養育できる父母は一定数いると感じる。重要なのは父母双方が相手の立場を知り、歩み寄ることだとし、「子どものために何ができるかと考えるきっかけとなる」と指摘する。
一方で、関係のこじれを解決するために家事調停を利用したのに、逆に対立が激化してしまうケースを多く見てきた。離婚後も共同で子育てをしたいと願う父母に対する行政の引き出しの少なさも痛感している。
共同親権の導入は「離婚する父母の価値観を変える社会的インパクトになる」としつつ、司法関係者や民間団体が取り組むべき課題として父母を争わせない協議の仕組みの構築や、行政による「ふたり親支援」の強化の必要性を指摘する。【三上健太郎】