「運用・支援、冷静な議論を」 共同親権定めた民法など改正案受け棚村政行・早大教授

https://news.yahoo.co.jp/articles/317cb9eb3a2f0e1c706e57221991bb29c1f0d929

3/8(金) 23:16配信
産経新聞

早稲田大学の棚村政行教授(家族法)

8日に閣議決定された離婚後も父母双方に親権を認める「共同親権」導入を柱とする民法などの改正案を、専門家はどう見たのか。産経新聞の取材に応じた棚村政行・早大教授(家族法)は「離婚後も両親が子育てに関与できる道を開いた」と評価する一方、「運用・支援、冷静な議論を」と話した。

離婚後の共同親権導入を盛り込んだ民法などの改正案は、親権を「親の権利」という発想から「子の権利や利益を守るもの」という位置付けにシフトしており、評価できる。婚姻関係にかかわらず、父母双方が子の養育に関わる責務を明確化しており、家族のあり方が多様化する中で、離婚後も両親が子育てに関与できる道を開いた点でも意義がある。

ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害者には共同親権を認めないなど、被害者らへの配慮が重視されている。養育費の支払いや親子の交流を促す制度も盛り込まれ、子を精神的にも経済的にも支えられる仕組みとなるだろう。

ただ、共同親権になるか単独親権になるかの線引きや、DVと認定する基準などを明確にする必要がある。法改正後の運用と支援に関する議論も十分ではない。自治体の相談体制整備も必要だ。

共同親権は国民の関心が非常に高く、賛否の意見対立は強い。国会では、親だけでなく国も社会も子育てを応援するため、冷静に運用と支援の議論を尽くしてほしい。(聞き手 宮野佳幸)

2か月前