離婚後「共同親権」原案提示 「バランスが取れている」と佐々木俊尚が評価

https://news.yahoo.co.jp/articles/319277212b4bd402a95d10c3cdf8537ff8f2ba69

2023/12/20(水) 19:20配信
ニッポン放送

ジャーナリストの佐々木俊尚が12月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。離婚後の共同親権導入について解説した。
離婚後「共同親権」、要綱案の原案提示

※画像はイメージです

離婚後の共同親権の問題に関し、離婚後の子どもの養育について検討している法制審議会の部会は、見直しに向けた要綱案の素案を示した。離婚後も父と母の双方に子どもの親権を認める「共同親権」を導入するなどとしている。

佐々木)バランスの取れた原案だと思います。日本には共同親権がなく、単独親権だけなので、連れ去りが続発しているのです。例えば、オーストラリア人と結婚して子どもが生まれたけれど、お母さんが日本に子どもを連れ去って帰ってしまう。(日本では)お母さんの単独親権となり、お父さんが日本に来ても子どもに会えないという問題が続発していて、海外からも批判が強くなっています。
DVの恐れがある場合は単独親権

佐々木)共同親権があれば、「お父さんにも会える機会がつくれる」という話になるのです。ただ、虐待やDV(家庭内暴力)の恐れがある場合、「居場所がバレてしまう」というような話がある。そのため、「虐待やDVの恐れがあるときは家庭裁判所が単独親権と決める」というような補足を設けたのだと思います。

飯田)虐待やDVの恐れがある場合は。

佐々木)DVの被害者団体などからは、「DVは密室の家庭内で行われるから、DVがあると訴えても裁判所に認められないケースがあるのではないか」という批判も出ています。しかし、それを言い出したら、逆にDVなどないのに「DVがあった」と主張し、認められてしまう可能性もある。それはそれでまずいわけですから、ある程度は裁判所の判断に任せることも必要ではないでしょうか。バランスの問題ですよね。どちらかが100%正しいということは起こり得ないので、ある程度は共同親権を認めつつ、「そうではない例外も認める」という落としどころがいいと思います。
養育費の支払いが滞った際に優先的に財産を差し押さえられる「先取特権」を付与

飯田)他方、単独親権において親権を取れない、または取らなかった側に養育費の支払い義務が生じる場合、それが支払われないというような問題もあります。

佐々木)支払わないと財産を差し押さえできるようになるというのも、いい方法だと思います。私の周りでも、シングルマザーやシングルファザーになった方から「養育費がまったく払われていない」という話を聞くので、法的に支えることも大事ではないでしょうか。

飯田)親の権利主張もありますが、一方で子どもはどうなのか。まずはそこを優先すべきですよね?

佐々木)これだけ離婚が増えて、いろいろな暮らし方が当たり前になってくると、それに合わせて多様な子育てができるよう対応していく必要がある。それがいまの時代には必要だと思います。

飯田)行政や地域社会も含め、セーフティネットのようなものがつくれたらいいですよね。
かつての標準家庭から外れたものも多様性として認める

佐々木)専業主婦の妻と会社員の夫と、子ども2人というような、当時の「標準家庭」とされてきたモデルに何もかも依拠し過ぎだと思います。そこから外れたものを認めなかったのが20世紀の日本だとすれば、そこから外れたものを多様性として認めていくのが21世紀という考え方でいいのではないでしょうか。

飯田)そこにテクノロジーなども加え、形を変えていく。

佐々木)DVもテクノロジーで監視するくらい、やってもいいのかも知れませんね。

飯田)子どもの顔をAIが判断し、特徴から「DVの可能性がある」などと割り出せるかも知れませんね。
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